おはようございます。スーパーで買ったものを袋に詰めるときにつかうあの「台」の名前をご存知ですか。筆者も最近知ったのですが、あの台は「サッカー台」というそうです。
もちろん soccer ではなく sacker です。「袋詰めをする人」という意味だそうです。ほかにも「作荷台」に由来するという説もあるみたいです。
何にでも正式名称があるものですね。ちなみに、今みなさんが読んでいるこのメディアの名称は「ウェブログ」です。ご存知でしたか。どうも、インクです。
勉強することって偉いことなのか?
勉強することって偉いことなのか?
— インク@小学校の先生 (@firesign_ink) 2020年6月6日
大人は勉強している子どものことを「偉いね!」と褒めます。 勉強をすることって本当に偉いことなのでしょうか。そもそも「偉い」って何なのでしょうか。
野比家の長男「のび太」は勉強を嫌います。さくら家の次女「ももこ」も勉強を嫌います。磯野家の長男「カツオ」も勉強を嫌います。勉強はめんどくさいもの。勉強はつらいもの。そんな世間のイメージがはっきり表れていると言えるのではないでしょうか。
かつての勉強は、出世に必要不可欠な要素でした。読み書きができるだけで優遇されたり、官吏になるためには科挙という試験に合格しなければならなかったり。言わば、人々の憧れであったのです。
しかし、今では誰でも勉強することができるようになりました。むしろ、法が整備され「勉強しなければならない」とまで言われるようになりました。これまでは飢餓に苦しんでいた子どもたちが、時代の変化とともに食べ残しをするようになったというわけです。
このように、希少価値が失われたという事実も大きいのですが、同時に、学習の魅力を伝えきれなかった大人の責任でもあるのではないかと思っています。
人に「知的好奇心」が備わっていることを前提とするならば、勉強は「欲求を満たす行為」であるはずです。お腹が空いたから食べる。眠たいからベッドに入る。知りたいから勉強する。これらはすべて同じグループに属しているはずなのです。
たしかに時代の変化とともに食べ残しをするようになったのかもしれません。好き嫌いで食べるものを選択するということは、とても贅沢なことであるのと当時に、これまでの人々の努力の賜物だと言うことができるでしょう。ただ、どれだけ選り好みをするようになったとしても、お腹が空いたから食べるという因果関係が変わることはないはずです。
ところが、勉強は「やりたくないもの」になってしまっています。大人たちが「勉強はめんどくさいもの」というイメージをつくり上げてしまったからです。勉強している子どもを「偉いね !」と褒めるのも、その一角を担っています。
大人が言う「偉いね!」には「(やりたくないことを我慢してやって)偉いね!」というメッセージが込められています。そうです。いつの間にか「やりたくないことを我慢してやること」が「偉いこと」になってしまっているのです。要は、おだてているというわけですね。
この褒め方をしつづける限り、どんなに魅力を伝えようと努力しても、勉強から「やりたくないもの」という前提をとり除くことはできません。そもそも、勉強することは偉いことでもなんでもないのです。勉強は「したいからするもの」であるはずなのです。
その点に関しては、スナフキン先生がこんな名言をのこしてくださっています。ねえ...義務ってなんのこと?したくないことをすることさ。
まったくもってそのとおりだと思います。逆に言えば「義務」になってしまった時点で、それは「したくないもの」へと姿を変えてしまうのです。そうです。「義務教育」です。そう考えると不思議なことばですよね。義務教育って。欲求を義務づけているわけですからね。
たしかに食事や睡眠とちがって、勉強をせずとも生活は成り立ちます。自ずと優先順位は低くなってしまうでしょう。勉強は生活的なゆとりがあることを前提として、はじめて成立する欲求なのです。
「義務教育」という制度は、それとは逆の道筋をたどっています。要するに「勉強を義務化することで、生活のゆとりを確保できるように制度を組もう」というわけです。先ほど述べたように、生活に必要不可欠なものの方が優先順位が高いわけですから、ある意味「勉強の義務化」が「生活水準向上」の手段として用いられたというわけです。
もはや、この制度が定着してしまった時点で、勉強を「したいもの」に戻すことはできないのかもしれません。小中学校の先生は「義務教育」という制度の中で「いかに義務感を和らげることができるのか」という勝負をしなければならないのかもしれません。
そう考えるとなんだかつまらないですね。勉強ってもっと自由でもっとおもしろいものであるはずなんですけどね。
【お知らせ】
#らぱいんざWORLD
2020.6.26.21:00
本日18時ごろ詳細をツイートします。お楽しみに。