【金】外的要因による変化を期待すべからず
おはようございます。昔から食べものにおける好き嫌いがありません。ピーマンもナスもグリーンピースも、喉を通れば何でも食べられると思っています。
そんな中でも唯一、勧められても手に取らない食べものがあります。食べものというよりかは「お菓子」と言った方がわかりやすいですね。噛むだけ噛んでペッと捨てるあのお菓子です。何だかわかりますか。
そうです。ガムです。ガムだけは本当に意味がわかりません。何ですか、あの食べものは。味だけを感じて吐き捨てるって、都合がよすぎやしませんか。
口内環境をリフレッシュさせるにしても、ほかの手段があります。「頭の回転をはやくするため」と言っている人ほど、全然はやくありません。
ガムソムリエかガムコンシェルジュの方がいらっしゃいましたら、ぜひガムの魅力を教えてください。よろしくお願いします。どうも、インクです。
外的要因による変化を期待すべからず
外的要因による変化を期待すべからず
— インク@青年求職家 (@firesign_ink) 2020年11月18日
教育業界のトレンドに「GIGA スクール構想」というものがあります。GIGA とは「Gloval and Innovation Gateway for All」の略で「多様な子どもたちを誰ひとり残すことなく、子どもたちひとりひとりに公正に個別最適化され、資質・能力を一層確実に育成できる教育 ICT 環境の実現」を謳っています。
簡単に言えば「ひとりに1台ずつコンピュータを支給するから、それを使っていろいろと変えていこうぜ」という施作です。正直に思ったことを言うなら、いくらなんでも遅すぎます。一体何年前からおなじようなことが言われつづけてきたでしょう。
公立学校教育という大きな組織を動かすには時間がかかるということはわかっているつもりですが、そうだとしても遅すぎます。改めて、リスクを背負って動くことが苦手な業界なんだなと思いました。
ただ、そんな重たい腰を上げて、動き出そうとしていることは事実です。ようやく「変わらざるをえない」ステージにやってきたというわけです。
子どもたちに1台ずつ端末が配られるわけですからね。何だか変わりそうでしょう。何かと便利になりそうでしょう。学習がぐんと効率化されそうでしょう。
この妙な期待感が、ちょっとこわいなとも思います。「自分が何もしなくても勝手に変わる」という空気が漂っているような気がしませんか。集団心理のわるいところが出ているような気がしませんか。
外的要因によってみるみるうちに変わっていくことを、みんながどこかで期待してしまっています。そう思っているものだから、結局は誰ひとりとして動くことなく時間が流れ、ついには「なんだ、期待してたのに」だなんてことを言いはじめる未来が見えます。
べつにこの施作を悲観的に捉えているわけではありません。きっかけとしては充分です。ただ、そのきっかけを活かしきれないのだろうなと思うわけです。
「きっかけを活かせないバカばっかり」と言いたいわけでもありません。本来、きっかけなんてそんなものです。ひとつのきっかけで数人が動き出せば万々歳です。実際に、今回の施作によって、本当に目の前の世界が変わる人も一定数はいるでしょう。
そして、そんな人たちが新たなきっかけをつくって、また新たな数人を動かしていくわけです。だから「いちどにガラリ」を期待しても仕方がありません。
外発的要因に期待するのではなく、外発的要因を「内発的要因を生み出すきっかけ」として捉えられた人から順番に、じわじわと広げていくしかないのです。本当に「いちどにガラリ」を望むのなら、ビートルズかヒトラーを目指すしかないでしょう。
ここまでくると、はじめの話に戻ります。現代の教育業界には、きっかけが少なすぎるのです。数を撃てば当たるものを、数発しか撃たないものだから、何にも作用することなく空を切ってしまいます。
なぜ数発しか撃たないのかというと「絶対に当てなきゃいけない」と思い込んでいるからです。GIGAスクール構想が2020年に行われている理由も結局は同じです。当てなきゃいけないと思うがあまりに、引いた矢をなかなか離すことができないのです。
チャレンジ精神をもって矢を離したとしても、的を外せばボロカスに叩かれます。最悪の場合、職を失うかもしれません。そんな場所で判断を迫られている人間を責めるわけにもいきません。悪い言い方をしてしまいましたが、GIGAスクール構想を実行するためには大きな決断が必要だったことでしょう。
失敗を笑って許せる場所になればいいんですけどね。子どもたちには「失敗してもいいんだよ」だなんてことを言うわけですが、本当の意味で他者の失敗に厳しいのは大人の方なのかもしれません。
【今後の予定】
①11月25日(水)こきけんよう Vol.20
②12月4日(金)らぱいんざWORLD Vol.9
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