ツイートの3行目

小学校の先生です。ツイートは2行まで。3行目からをここに書いていきます。

【金】正論がその場の最適解だとは限らないよ

 

 おはようございます。インターネット歴が長くなると、おなじような話をなんども見かけるようになります。「地域ごとに呼び方がちがうものの話」とか「人によって色が違って見える画像の話」とか。「まちがえて上司に変なメッセージを送っちゃった話」とか「飲みものや食べものを盛大にぶちまけちゃった話」とか。「イケメンが全員わたしのことを好きな話」とか「この現象に名前をつけたいという話」とか。

 挙げはじめるとキリがありません。そのくらいインターネットの世界には、擦られた話がたくさん存在しています。この類の話は一定の周期を経て、何度もくり返しバズっています。要は、それだけ初見の人が多いということなのでしょう。実年齢とインターネット年齢はちがいますからね。常にインターネット年齢が若い新規参入者がいるのです。

 つまりインターネットの世界では、自分が「新鮮でおもしろい」と思っていることでも、ほかのだれかは「またこのネタかよ」と思っているということです。このギャップは注意しておかなければなりません。情報にとって鮮度は大切ですからね。自分がはじめてだからといって、他の人にとっても新しいものだとは限らないというわけです。どうも、インクです。

 

正論がその場の最適解だとは限らないよ

  相手を論破することは、それほど難しいことではありません。いくつかの要点をおさえ、その点と点をロジカルに繋げればいいだけです。理由がそれらしければ、多少ロジックが崩れていてもかまいません。その道筋を淡々と語ることさえできれば、わりと簡単に相手を論破することができてしまいす。

 しかし、仮に相手をぐうの音もでないような状況に追い込んだとしても、その先に幸せが待っているとは限りません。なぜなら、大抵の場合は相手の中にしこりのようなものがのこってしまうからです。「やられた!」という爽やかなものではなく「なんだよアイツ!」という反感がのこってしまうのです。

 要するに、どれだけきれいに言いくるめることができたとしても、その後に相手が味方になってくれる可能性は極めて低いというわけです。もし仮に味方になってくれたとしても、その奥には反感を抱えています。脳を納得させられたとしても、心も一緒についてくるとは限らないというわけです。

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 先ほどは「論破が簡単」だなんて言いましたが、これはあくまでも「お互いがロジカルに話そうとしている」ということが前提にあります。ロジカルに話し、ロジカルに聞こうとしているのであれば、比較的簡単に論破することはできるでしょう。

 しかし、現実のコミュニケーションを見る限り、その前提をつくること自体がなかなかに難しい場面も多いはずです。人には感情がありますからね。言いくるめられそうになると、どうしてもこの感情が大きく前に出てしまうのです。

 だから、どれだけ筋の通った意見であったとしても、相手が感情的になってしまった時点で論点はどんどんとズレていってしまいます。そうなってしまった後で、いくら「これがこうでこうだから」と説明をしても何の役にも立ちません。なぜなら相手はすでに、ロジカルに聞く姿勢を失ってしまっているからです。

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 子どものケンカを見ていると、よくこんなことばが聞こえてきます。だって、ほんとのことだもん! みなさんも耳にしたことがあるのではないでしょうか。なんなら自分で言ったことがある人もいるかもしれませんね。だって、ほんとのことだもん。学校でもよく耳にします。

 ここで子どもたちが学ばなければならないのは「正論がその場の最適解だとは限らない」ということです。要するに、人と人とのコミュニケーションにおいて「事実かどうか」が最上位に来る場面は意外と少ないということです。

 そもそもけんかになっている時点で、もうその「正しさ」は最適解ではありません。どれだけ事実だったとしても、どれだけ筋が通っていたとしても、それらがそのまま人の心に直結するわけではないのです。

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 ちなみに言うと、世の中のけんかのほとんどの原因はこれなのではないかと思っています。自分が言っていることは正しいはずなのに。自分が言っていることは筋が通っているはずなのに。どうしてわからないんだ。このわからずや。これがけんかの流れです。大人だって一緒ですよね。

 どうしてこうなってしまうのかというと、先ほどから述べているとおり、正しさこそが最上位だと思い込んでしまうからです。正しいことを言っているんだから、それを理解できない相手が悪いんだ。こう思ってしまうのです。まさに戦争と同じですね。

 自分が間違いのない正しさをもっているのなら、その伝え方を考えなければなりません。その正しさに自信があるの、ならなおさら伝え方が大切です。

 「正しさを正しさのままぶつければ相手も納得してくれる」と思うのは大きな間違いです。相手は感情をもった人間ですからね。伝え方をデザインしなければなりません。

 せっかくいい考えをもっているのに、伝え方が下手くそすぎてけんかになっているパターンをよくみかけます。せっかくいい考えをもっているのなら、相手に届くところまでをデザインしましょう。

 くり返しになりますが、そのまま投げれば相手が受け取ってくれるわけではありません。しっかりと梱包して、メッセージカードもつけて、相手にそっと手渡しする。ここまでのことをして、ようやく自分の正しさを受け取ってもらうことができるのです。

taishiowawa.hatenablog.com

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【お知らせ①】

 現在ツイッターにて、えむおーさん(@Mo24555713)と「400字アドリブ文通」という企画を進行しています。今日は3往復のうちの4通目、えむおーさんからのお返事が届きます。このメッセージに対してどんな返事がくるのかな。毎晩18時に更新していますので、まだ読んでいない方は今のうちに過去ログを読んでおくことをおすすめします。

 

【お知らせ②】

 いよいよ明日になりました。なかなかおもしろくなりそうです。まだ間に合うよ。迷うくらいなら来ておいた方がいいと思うよ。参加を希望される方は「話し手」か「聞き手」かを選んだ上で、ツイッターのDMまでご連絡ください。

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【お知らせ③】

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