おはようございます。先日、作家の西加奈子さんが、芸人の若林正恭さんと山里亮太さんと一緒にお話をしている回の『ボクらの時代』を鑑賞しました。
西さんが話上手だということは前々から知っていたのですが、おふたりとの相性や番組の性質もあってか、いつも以上におもしろかったように感じました。
とくに「結婚していちばんよかったなと思うことは?」という質問に対して「いつ結婚するのかを聞かれなくなったこと」と答えていらっしゃったのが印象的でした。とても西さんらしい回答です。
「結婚」って、まわりの人たちからわかりやすく祝福されて、まるで幸せになったかのように思えてしまいますからね。日常と地続きであるという事実を、ついつい忘れてしまうわけです。
「変化を楽しむ」ということと「期待する」ということは、分けて捉えたいものですね。良くも悪くも、あらゆるものごとが日常に続いているはずなのですから。どうも、インクです。
「楽しんでいる間に気がつけば身についていた」が理想的
「楽しんでいる間に気がつけば身についていた」が理想的
— インク@青年求職家 (@firesign_ink) 2020年10月29日
学校の先生は、あらゆるものに教育的意義を求めます。そして、偉そうな顔をしながら子どもたちに向かって語りかけます。「立派な大人になるために勉強をがんばるんだよ」とか「みんなが気持ちよく過ごせるように手を取り合って仲良くするんだよ」とか。
べつにこれらを否定するつもりはありません。子どもたちが見通しをもって動けるように、目的を提示してやることはとても大切です。
ただ、あらゆる目的をそのままの形で提示することがベストなのかというと、必ずしもそうとは限りません。子どものころのことを思い出してみてください。
「よし、立派な大人になるぞ!」と思いながら勉強をしていましたか。「よし、みんなが気持ちよく過ごせるように友だちと仲良くするぞ!」と思いながら日々を過ごしていましたか。
きっと、そんな子どもはいないでしょう。仮にいたとしても、大人が喜ぶ答えを知ってしまったに過ぎません。ここにギャップがあるからこそ、学校が窮屈な場所になってしまうのです。
将来がどうであれ、いま取り組んでいる勉強に熱中することができれば、それでよいではありませんか。みんなの気持ちがどうであれ、協力することのできる仲間がいるのなら、それでよいではありませんか。
将来のためだとか、みんなが気持ちよく過ごすためだとか、そこまで言ってしまうのは野暮でしかありません。「楽しんでいる間に気がつけばそうなっていた」でよいのです。むしろそれがよいのです。
その点で言えば、ベネッセの進研ゼミなんかは上手ですよね。ゲーム感覚で取り組み、気がつけば身につくようにカリキュラムが組まれています。そこに費やす時間を個人に委ねているからこそ成り立っているのでしょう。家庭で行うことが前提ですからね。
一方で学校は「45分」という時間が設定されています。どれだけ興味がなくても45分は我慢しなければなりません。反対に、どれだけ興味を抱いても45分で強制的に区切られてしまいます。
そもそもを言ってしまえば、数十人で学習の足並みをそろえるということ自体が無茶な話なのです。興味を抱くポイントも違えば、理解度も違います。躓くところも違えば、既存の知識も違います。
そんな多種多様な人間が集まるからこそ生まれるものがあるということも事実です。しかし、すべての学習においてその形態が適切なのかというと、そういうわけでもありません。むしろ「30人で学ぶ」が向いている場面の方が少ないのではないでしょうか。
GIGAスクール構想やAIの発達により、個別最適化学習への兆しが見えはじめてはいますが、学校は当分の間「一斉授業」の呪縛から抜け出せないのではないかと予想しています。
あまりにもこの形態に慣れすぎて「数十人で学習の足並みをそろえるということ自体が無茶な話」だということを完全に忘れてしまっているのです。
そうです。抜け出せないのは、子どもたちではなく先生です。「一斉授業」という形をとる限り、先生の存在は大きいものであり続けますからね。
そんな承認欲求を満たしてくれる場所を、手放せなくなってしまっているのです。子どもたちのために一生懸命働くことで救われているのは、先生自身です。
自分の存在価値を「クラス」に求めてしまっているというわけです。これこそが、学校が変わらないいちばんの要因だと思っています。
人員が不足しているとか業務量が多いとか、外部に要因を求めがちですが、内部にあるものをもうすこし疑ってみる必要があるのかもしれません。
【今後の予定】
①11月4日(水)こきけんよう Vol.17
②11月6日(金)らぱいんざWORLD Vol.8
【リスナー募集】
①11月4日(水)こきけんよう Vol.16
毎週水曜日の定例会です。次回は21時スタートです。どうでもいい話をしています。週の真ん中、折り返し地点として聴きに来てはみませんか。声を出せる人はぜひとも一緒にお話ししましょう。水曜日に予定があるというだけで、目安になっていいものですよ。参加希望はツイッターのDMまで、よろしくお願いいたします。
②11月6日(金)らぱいんざWORLD Vol.8
らいざさん、らぱんさんと共に行っている「らぱいんざWORLD」も気がつけば8回目になりました。今回は前回ゲストの mucchu さんのご紹介で くま吉さん が来てくださいます。いつものごとく、何の情報もありません。年齢も性別も所在地もわかりません。もしかしたら人間ですらない可能性だってあります。
そんな方をゲストに呼んで、いつもどおり何の役にも立たない話をします。説明をしようにもこれ以上に説明することがありません。ぜひ、遊びに来てね! リスナーとしての参加希望はツイッターのDMまで、よろしくお願いします。
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