ツイートの3行目

小学校の先生です。ツイートは2行まで。3行目からをここに書いていきます。

【木】どこがおもしろかったのかを考えなければ次には繋がらない

 

 おはようございます。子どもたちはこの自粛期間中に、思う存分「フォートナイト」をして遊んでいるそうです。保護者の方々は「ゲームばかりしていて...」と困った顔で話をしますが、べつに「フォートナイト」をプレイすること自体がわるいとは思いません。

 やっぱりおもしろいですからね。ゲームって。これだけたくさんの人々を魅了しているということは、必ず何かしらの理由があるはずです。とくにここ数年は「PUBG」や「荒野行動」などのバトルロワイヤルゲームが流行しました。これらに共通する特徴とは一体なんなのでしょうか。今日はそんなお話をしていきたいと思います。どうも、インクです。

 

どこがおもしろかったのかを考えなければ次には繋がらない

  このままゲームの話を続けます。 最近流行っているいくつかのゲームの共通点に「前回の失敗を活かしてすぐに再チャレンジすることができる」という特徴があります。なんならゲーム全般に当てはまる特徴なのかもしれません。

 「スーパーマリオブラザーズ」なんて、まさにこの特徴を最大限に活かしたゲームですよね。「さっきはあそこでハンマーブロスにやられたから、次はファイヤーマリオであそこまで行けるようにしよう」と、こんなことを考えながら再チャレンジをしていきます。

 「フォートナイト」も「PUBG」も「荒野行動」も、基本的には同じです。失敗した時点ですでに「次はこうしよう」という改善策が思い浮かんでいるのです。そりゃあ止められませんよね。キリがいいように見える1回戦の終わりは、同時に2回戦のはじまりでもあるのです。途切れ途切れに見える戦いは、すべて繋がっているというわけです。

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 学校の先生方はお気づきでしょうか。そうです。これ、「けテぶれ」です。葛原さんが名付けた「けテぶれ」は、まさに「さっきはあそこでハンマーブロスにやられたから、次はファイヤーマリオであそこまで行けるようにしよう」と同じです。

 知らない方のために簡単に説明しておきます。「けテぶれ」とは「計画・テスト・分析・練習」の略語であり、葛原さんの造語です。ひとりひとりが、やるべきことを自分で考えて、宿題やテストを次へ次へとつなげていこうという取り組みの名称です。

「けテぶれ」宿題革命!

「けテぶれ」宿題革命!

  • 作者:葛原 祥太
  • 発売日: 2019/07/20
  • メディア: 単行本
 

  この本の中には、具体例としていくつかの実践が紹介されていましたが、それをそのままつかってもうまくいくはずがありません。伝わりやすくするためのただの例ですからね。言ってしまえば、実践なんて全部ただの例です。大切なのは、その実践の根っこにある「ものの見方や考え方」です。

 くり返しになりますが「けテぶれ」とは、子どもたちが熱中するゲームの特徴を学習に転用したものだと言うことができるのではないでしょうか。本当のことを言えば、転用するまでもなく、学習が本来もっているおもしろさなんですけどね。土埃をかぶったそのおもしろさを再び掘り返そうとしたことにこそ「けテぶれ」の価値があったのではないかと思っています。

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 突然話が変わりますが、子どものころは泳ぐことが苦手でした。教えられたとおりに手足を動かしているし、ちゃんと顔を上げて息継ぎもできています。それでもやっぱり苦しくなって25メートル先の壁を触れるか触れないかのところで限界がきてしまうのです。

 みんなは平気な顔をしてスイスイと進んでいるのに、どうして自分は苦しくなってしまうのだろう。その理由がずっとわからずにいました。

 そんなある日、突然楽に泳げるようになりました。偶然ではありません。たったひとつのことを意識するだけで、これまでの苦しみはなんだったんだと思うぐらい楽に泳げるようになったのです。それは「水中で息を吐く」ということでした。

 泳ぐことが得意な人たちは「何を言っているんだ」と思っているかもしれませんが、当時の自分にとっては大発見でした。「顔を上げたときにがんばって吸わないと!」と思うがあまり、息を吐くことを忘れてしまっていたのです。

 人の体は上手にできています。水中から顔を上げたら勝手に息を吸ってくれるものです。しかし、水中で息を吐くことは、ある程度意識しなければできません。この気づきこそが大きな転換点になったのです。

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 ここまでの話に、教室での大人の役割が詰まっています。ひとつ目は「できた理由」や「できなかった理由」を明確にすること。ふたつ目は「何度でもチャレンジができる機会」を用意するること

 現状を見わたすと、なんとなく開始して、なんとなく失敗して、なんとなく終わる。そんな活動がほとんどのような気がします。だからこそ、次の活動に移るときにはまた1からのスタートになるのです。

 なぜうまくいったのか。なぜうまくいかなかったのか。それを知るためには「この活動で何を試すのか」ということを明確にしておかなければなりません。むしろこれさえハッキリしていれば、成功か失敗かは自ずと表れることでしょう。成功すればつづければいいし、失敗すれば改善策を考えればいいのです。

 考えれば考えるほど「フォートナイト」です。教育現場でも「フォートナイト」と同じように「ひとつの活動が終わった時点ですでに次の改善策が思い浮かんでいる」という状況をつくり出せたらよいですね。

taishiowawa.hatenablog.com

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【お知らせ】

 いよいよ明日になりました。テーマにせよメンバーにせよ、どんな方向に話が進んで行くのかは誰にも予想することができません。そんな実験的な試みです。興味のある方は、軽い気持ちでツイッターのDMまでご連絡ください。

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