ツイートの3行目

小学校の先生です。ツイートは2行まで。3行目からをここに書いていきます。

【木】すべての困難に立ち向かう必要はない

 

 おはようございます。昨日、保護者の方からとても嬉しいお手紙をいただきました。もちろん個人的なお手紙ですので、内容を教えることはできません。ただ、そのお手紙を読んでいて、とてもその人らしい文章だなあと思いました。やはり人が書く文章には、その人の生き様が滲み出ます。文章は意味がすべてではない。改めてそう思わされました。このブログだって同じです。文字列が表す意味だけを追っていてはいけません。意味なんて所詮オマケでしかないのです。どうも、インクです。

 

 すべての困難に立ち向かう必要はない

 たとえ火の中、水の中 、草の中、森の中。山の中、海の中、雲の中、あの子のスカートの中(キャー)。中、中、中、中、中、なかなか大変だだけど。必ずゲットだぜ。ポケモンゲットだぜ。イェイイェイイェイェイイェイイェイェー。

 ご静聴ありがとうございました。「うろ覚えめざせポケモンマスター」でした。「あの子のスカートの中(キャー)」だけは、絶対的な自信があります。間違いありません。あとの答え合わせは各自でよろしくお願いします。 

 

 それはさておき、みなさんはハードルを跳んだことがありますか。ええ、もちろん。跳んだことがない人なんていないだろうと思いながら聞いています。あえて質問という形をとることで、読者の興味を惹こうという初歩的なテクニックです。こんなこと、わざわざ説明させないでください。

 高いハードルに挑戦するためには少し勇気がいりますよね。いくら倒れるから大丈夫だといえども、ぶつかったら痛そうです。すねなんて打ちつけたら最悪ですよね。そして何よりもやっぱり、失敗したらカッコ悪いです。あの子が見ている前で、そんな醜態を晒すわけにはいきません。一体どうすればよいのでしょうか。

 

 そんなときは、下をくぐればいいのです。ハードルが高ければ高いほとくぐりやすいはずです。下をすっとくぐってしまえば、前に進むことができます。「ハードルは跳び越えなければならない」というのは、あなたのただの思い込みでしかありません。きっとあの子も「なんて機転が利く人なのかしら」と惚れ直してくれるはずです。

 要するに、ポケモンマスターをめざす上で、本当に「火の中、水の中 、草の中、森の中、山の中、海の中、雲の中、あの子のスカートの中(スカートの中以外合っているのか知らないけれど)」 のすべてに入る必要があるとは限らないということです。泳ぐのが苦手だからという理由で、水の中と海の中はなんとか避けながら、ポケモンマスターをめざすことだってできるかもしれません。最近のポケモンはよく知りませんが、実際に主人公は水の中には入りませんよね。水に入るときはいつも「なみのり」という技をつかって、ポケモンの背中に乗っています。また、コンプライアンスが厳しい時代に合わせてスカートの中に入ることもやめておいた方がいいかもしれません。今の時代「キャー」だけでは済まないでしょうからね。

taishiowawa.hatenablog.com

 

 このように、あらゆる困難に立ち向かってすべての苦手を克服する必要なんてこれっぽっちもありません。人には必ず得意・不得意があります。だれにだって「できないこと」があるはずです。もちろん、そんな「できないこと」ができるようになったら嬉しいとは思いますが、すべての「できないこと」をできるようになる必要なんてありません。「できないこと」は大きくふたつに分けられます。

 

 ① できるようになるべきこと

 ② できなくてもいいこと

 

 本当に苦手なことは、それを得意な人が自分の代わりにやってくれます。たとえば筆者の場合、絵を描くことがそこまで得意ではありません。だからイラストが必要なときはいつも、絵が得意な隣のクラスの先生にお願いしています。一方でパワーポイントやスライドショーをつくることはとても得意なのでお願いされることが多いです。

 これでいいのです。もちろん絵がスラスラと描けるようになれればいいなあとは思いますが、限られた時間を考えると、絵の練習の優先順位はそれほど高くはありません。わざわざそこに時間を割くくらいなら、他のことに集中した方が有意義にすごせます。また、自分が絵が苦手だったことによって、隣のクラスの先生とのコミュニケーションが生まれています。隣のクラスの先生にとっては「頼られる」ということによって、職員室における「絵が得意」というポジションを獲得していることになります。これがもし、筆者がパーフェクトヒューマンで、なんでもかんでも完璧にこなしてしまう人間だったとしたら、隣のクラスの先生の出番はなくなり、関係はもっと希薄になっていたことでしょう。

 

 「困難なことに立ち向かうことは美徳である」というような妙な風潮があるような気がしています。自分がなにかをめざす上で、本当にそのハードルを跳び越える必要があるのかどうか、今一度考えてみてもよいのではないでしょうか。人の時間には限りがあります。不要なハードルを飛び越えるために一生懸命になるくらいなら、すっとくぐりぬけて前に進んでしまった方がよいことだってあるはずなのです。ただし、頭をぶつけてしまわないようにだけ十分気をつけてくださいね。

 

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 ここまでの記事を読んで「インクさんすごい!」「さすがインクさん!」「なんて天才的な発想なんだ!」と思っている人は、まだまだ情報収集が甘いです。

 

 ハードルは高ければ高いほどくぐりやすい

 

 これは筆者のことばではありません。とあるお寺の掲示板に貼られていたことばです。一昔前に、だれかがその掲示板の写真をツイートし、バズっていたものです。昔からツイッターに親しんでいる人は知っていたかもしれません。なんならこの掲示板よりも前に元があるのかもしれません。知らずとも、少し調べれば出てきたはずです。

 

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 今、実際にハードルをくぐってみたのですが気がつきましたか。何もないところからのスタートだったので、ハードルを設置したのも自分でしたけどね。

 何も言わなければ「インクさんすごい!」「さすがインクさん!」「なんて天才的な発想なんだ!」と思われていたかもしれないのに、わざわざこうしてネタ元を正直に明かしました。このまま黙っていたら、次に飛び越えなければならないハードルが高くなってしまいそうだったので、今日のハードルはパスしてくぐりぬけたというわけです。

 

 

 ええ。もちろん。そんなことは建前です。「自分の手柄にしてしまうのではなく、こうして正直にネタ元を明かして好感がもてるなあ 」と読者に思ってもらうための初歩的なテクニックです。こんなこと、わざわざ説明させないでください。