ツイートの3行目

小学校の先生です。ツイートは2行まで。3行目からをここに書いていきます。

【火】気づけばあの人もあの人もいなくなる

 

 おはようございます。買い物には二種類あります。「買わなければならない買い物」と「買わなくてもいい買い物」です。たのしいのは後者です。わくわくするのも後者です。どきどきするのも後者です。うきうきするのも後者です。

 前者の買い物は楽しくありません。まったく楽しくありません。コンタクトレンズを買ってもわくわくしません。ガソリンを入れてもどきどきしませんし、家賃を払ってもうきうきしません。

 つまり、同じおかねを払うとしても、「買わなければならないもの」に支払うのと「買わなくてもいいもの」に支払うのとでは、まったく意味合いがちがってくるということです。10000円のTシャツを買っても、1000円のランチは注文しません。50000円のメガネを買っても、500円のボールペンは買いません。

 値段なんて、どこかの誰かが勝手につけたひとつの価値に過ぎません。誰かにとっては価値がないものだって、誰かにとっては価値があるということも十分にありえます。紙に書かれた数字に翻弄されていてはいけません。価値は自分で決めればよいのです。どうも、インクです。

 

気づけばあの人もあの人もいなくなる

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 2015年6月22日に更新したブログ「怒涛のレポート地獄に向けて」を確認すると、コメントが4件ほどついていた。このつまらないブログにも一定数の読者はいるようだ。ただ、内容がつまらないだけに、コメントもまあつまらない。

 

> 大変そうですね!💦 学校にバイトに忙しいだろうけど無理せずにがんばってね!

 

> 教育学部の学生は教材のレポートを書くんだね!蜘蛛の糸懐かしいなあ!いろいろと忙しそうだけどがんばってね(^ ^)

 

 インターネットにおける文章は、どうしてこうも句読点を打とうとしないのだろう。これだけの短文でも、語り口調や顔文字などから、年齢や性別がだいたい想像できるのがおもしろい。

 この人たちは、どのような経緯で僕のブログを読むことになったのだろう。ましてや、なぜわざわざこのようなコメントを残していくのだろう。つくづく疑問でしかない。

 

> 初めまして!σ(´∀`●) アタシあなたのブログ大好きです+(〃σIσ)゚ 今日はついに見てるだけじゃ足らずコメントしちゃいましたヽ(*´∀`)ノ実は最近、あなた自身にも興味がるんですけども…壁|ω-o)゚+. ポッ もしよかったら、お友達になってほしいです(σ´・v・`*)メールもらえたら嬉しいな(*・∀<*) それじゃ待ってますです(゜ー゜*)これが私のメアドだよ♪ ○△□×○△□×@gmail.com

 

 最近はすっかり見なくなったと思っていたが、まだ絶滅していなかったみたいだ。ということは、この時代でもまだまだ引っかかる人がいるということなのだろう。怪しいメールに返信をしてはいけません。そういう教育は、子どもよりもむしろお年寄りにしていくべきなのかもしれない。

 彼女からのコメントは最後にあった。記事の更新から2日後、つまりは昨日の夜、22時52分。いつもどおりの時間だ。夕食を済ませ、洗い物も終わり、ひと息つける時間なのだろう。

 

> ほう。発表に、レポートに、模擬授業とはなかなか大変そうですね。芥川で8000字ですか。作品は何か指定されているのですか?

 

 彼女には、私と同い年の息子がいる。ほかに子どもがいるのかどうかは知らない。予想では40代中頃といったところだろう。失礼な言い方にはなるが、いい歳をしたおばさんだ。何せ、僕の母と同年代だ。どう考えてもお姉さんとは呼べない。

 僕とは20歳以上の歳の差があるわけだが、なぜか不思議と話が合う。音楽や読書など、趣味が重なることも多く、ブログを書き始めたころからよくコメントをくれる常連さんだ。僕は彼女からのコメントを密かに楽しみにしている。

 初めの2件には適当に返信を書き、彼女への返信をじっくりと考えることにした。3件目のコメントはもちろん無視。

 

> かなり大変ですね(_ _) 芥川のレポートは特に指定はされてないんですが、今のところ『トロッコ』らへんで書こうかなーと思ってます!

 

 僕は一度入力したこのコメントを全選択し、バックスペースキーを押した。どうも馬鹿っぽい。少し恥ずかしい話ではあるが、僕は彼女に対して「大人っぽく見られたい」という願望がある。要は「息子と同い年なのに立派だわ」と思われたいのだ。

 

> なかなか大変です。芥川のレポートに関して、作品指定はありません。今のところは『トロッコ』を題材にしようかと構想中です。

 

 「何も変わってないではないか」とは言わないでほしい。僕から言わせればまったくの別物だ。文体は彼女に合わせてみた。ポイントは「構想中」という言葉だ。なんとも大人っぽくてかっこいい。僕は「送信」ボタンをクリックした。

 

 数日後、彼女のブログを覗いてみると新しい記事が更新されていた。内容はいつもと変わらず、近況報告から始まり、最近気になっている音楽や、読んだ本について書かれていた。彼女のブログは、今までに聴いたことのない音楽や、読んだことのない本を紹介してくれるので、僕としては非常にありがたい存在となっている。

 驚いたことは、今回の記事で紹介されていた本の中に、芥川龍之介の『トロッコ』が混じっていたということだ。私はさかさずコメントをした。

 

> トロッコ読んだんですね!どうでしたk?

 

 僕としたことが、興奮していたのだろうか。最後の「a」を打ち損ねてしまった。普段はあれほど熟考してから、慎重に打ち込んでいるというのに。残念ながらこのブログは、一度送信したコメントを編集することはできない。

 と、このような後悔と反省を同時進行させている間に、早速返信がきた。どうやら彼女もちょうどPCの前にいたようだ。

 

> 読みましたよ!昔一度読んだことはあるんですけどね。そのときも思いましたが、良平の気持ちがあまりにも鮮明に理解できるんですよね。この気持ちは私だけが持っているものだと思っていたのに、それを物語として表現している人がいて、驚いたことを今でも覚えています。

 

 いつも以上に長い返信で僕は少し嬉しかった。それと同時に、「なるほど、この人にはこのように見えているのか」と感心した。

 そして、このやりとりがあった後、僕はブログにも書いていたように本格的に忙しくなり始めた。無事、レポートを書き終えた後も、課題の波は次々と押し寄せてくる。発表、模擬授業、試験、実習。ブログからは離れざるを得ない生活が続いた。

 様々な課題に一段落がつき、落ち着いたのは、すべてのテストが終わった8月4日であった。この日、久しぶりにブログを開き、新しい記事を更新した。

 もちろん題名は『怒濤のレポート地獄を乗り越えて』である。たくさん抱えていた課題を無事終わらせられたこと、芥川のレポートもひとまずは意見をまとめて完成できたこと等を洗いざらいに報告した。

 

 後日、記事を確認するとコメントは2件であった。

 

> おつかれさまでした(><)  お互いに夏休み満喫しましょうね!

 

> レポートが終わってよかったです笑 ゆっくり身体を休めてくださいネ!

 

 彼女からのコメントはなかった。僕はこの2件に適当な返信をして、助言に従い、ゆっくりと身体を休めることにした。

 記事を更新してから一週間後、再びブログを確認してみたが、やはり彼女からのコメントはない。気になった僕は彼女のブログを覗いてみた。すると、そこにはこんな一文が表示されていた。

 

このブログは閉鎖しました。長い間ありがとうございました。

  

 僕たちはブログのみで繋がっている関係だった。LINEのやりとりをしているわけでもなければ、Twitterで相互フォローをしているわけでもない。もちろんメールアドレスも電話番号も知らない。

 僕と彼女を繋ぐものは「ブログのコメント」しかなかった。それが、突如なくなってしまったのだ。突然に。一方的に。

 

このブログは閉鎖しました。長い間ありがとうございました。

 

 何度アクセスしてもその文字列は消えなかった。彼女に何があったのかは分からない。ブログに飽きてやめてしまったのかもしれない。忙しくなってブログを書く暇がなくなってしまったのかもしれない。事故や事件に巻き込まれてしまったのかもしれない。それさえ僕にはもう知ることはできない。

 本当に、彼女は女性だったのだろうか。本当に、私と同い年の息子がいたのだろうか。本当に読書や音楽が好きだったのだろうか。本当に、彼女は存在したのだろうか。

 

 次の日、長く続けていた自分のブログを閉鎖した。

 

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 インターネット上の関係性は一方的に切れます。どれだけ親しくしているつもりでも、一方的に切れます。一度切れてしまったら、もう相手のことは何もわからなくなってしまいます。現在のことだけでなく、過去のことまでも本当だったのかどうかわからなくなります。

 

 それがインターネットです。現実世界とは少しちがいます。

 

 

【月】風をあつめて蒼空を翔けたいんです

 

 おはようございます。昨日は風が強い日でした。うっかりすると帽子が飛んでいってしまうくらいの強さでした。風は冷たかったですが、気温はもうすっかり春です。春風を切って歩き、カフェでまったりコーヒーを飲みました。ミルクたっぷりのカフェオレです。ちゃっかりシロノワールも食べました。値段はきっかり1000円でした。いつもどおりしっかりおいしかったです。カフェを出ると、空にはくっきりとしたお月様が浮かんでいました。少しだけ欠けた月は、先ほど食べたシロノワールにそっくりでした。この休日はゆっくり休むことができたので、朝からお目々ぱっちりです。今日からはみっちり仕事をがんばろうと思います。どうも、ねっとりインクです。

 

風をあつめて蒼空を翔けたいんです

  風は、まちに新しい空気を運びます。明日には明日の風が吹き、明後日には明後日の風が吹きます。風の噂によると、明々後日あたりにカレーの匂いがする風が吹くそうです。あくまでも噂ですからね。大風呂敷を広げているものだと思っておいてください。こんな噂ごときでたじろいではいけません。風は吹けども山は動せずです。ただ、万が一のときのために洗濯物は取り込んでおいた方がいいかもしれません。お気に入りの洋服がカレー風味になってしまうかもしれませんからね。

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T.M.Revolution ベストアルバムより

 というわけで、今日は「風」というキーワードをもとに、連想される作品をいくつかご紹介していきたいと思います。改めて意識してみると、世の中には「風」に関する作品が案外たくさんあることに気がつきます。当たり前ですが「風」って大昔からありますもんね。目には見えないけれど確かにそこにあって、あったかと思えばいつのまにかなくなっていて。そんな「風」にはきっと大きな魅力があるのでしょう。魅力がなければこんなにもたくさんの作品が生まれることはありませんからね。「風」に魅せられた作品たちをとくとご覧あれ。

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1.はっぴいえんど「風をあつめて」

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 1971年の楽曲です。50年前の日本にこんな曲があったのです。とんでもないです。本当に。風をあつめて、蒼空を翔けたいんです。蒼空を。

 「はっぴいえんど」は1970年に結成された日本のフォークロックバンドで、日本語ロックの先駆者とも言える存在です。メンバーは細野晴臣、大瀧詠一、松本隆、鈴木茂の4人。今見れば、錚々たる顔ぶれです。あの音楽おじいちゃんたちの歴史はここから始まったんですね。

 ちなみにどうしてこんなにも昔の曲を知っているのかというと、浅野いにおの漫画『うみべの女の子』にこの曲が登場するのです。きっと、この漫画が入り口で「風をあつめて」を知ったという若者は多いのではないでしょうか。

 だからこそ、はっぴいえんどに関しては「にわか」でしかないのですが、知ってからはずっと聴き続けている大好きなバンドです。みなさんもぜひ聴いてみてください。

風街ろまん

風街ろまん

 
うみべの女の子 1 (F×COMICS)

うみべの女の子 1 (F×COMICS)

 
うみべの女の子 2 (F×コミックス)

うみべの女の子 2 (F×コミックス)

 

 

2.久石譲「風のとおり道」

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 音楽つながりでもう1曲。もはやこの曲はご紹介するまでもありませんね。「となりのトトロ」の劇中曲です。まっくろくろすけが家から出て行くあのシーンで流れています。「いい映画は音楽がいいんだ」と、はじめて思ったのがこの曲でした。お前は誰なんだという話ですが「よくぞ宮崎駿と出会ってくれた」と思います。

 しかもタイトルが「風のとおり道」なんですよね。「風」には何かがあるんだろうなと思わざるをえません。これもまた、ただの「にわか」 でしかありませんが、大好きな曲のひとつです。1回でいいから生で聴いてみたいなあ。

 と思って、グーグルで「久石譲 コンサート」と検索してみると、このような結果が出てきました。

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 まあ、そりゃあそうだよな......。そりゃあ、そうなんだけどさ......。せっかく同じ時代に同じ日本人として生まれているのになあ。一度でいいから聴いてみたいなあ。

 ちなみにジブリ作品で一番好きなのは『風立ちぬ』です。あ、ここにも風。荒井由実の「ひこうき雲」もいいですよね。やっぱりいい映画は音楽がいい。

風のとおり道(インストゥルメンタンル)

風のとおり道(インストゥルメンタンル)

  • 発売日: 2014/06/27
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 

3.三浦しをん『風が強く吹いている』

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  原作を読んだのは中学生のころだったでしょうか。今でもはっきりと覚えているのですが、この本は父からススメられて手にとりました。しかし、そんな父はこの本を読んだことがありません。不思議な話でしょ。

 当時は、バカみたいに本を読んでいたのでおこづかいのほとんどが本に消えていました。あの日もいつものように、父と家の近くの本屋さんに行きました。そこで「これなんかどうよ」とススメられたのが、『風が強く吹いている』だったのです。

 当時は、何もわかっていなかったので、ほとんどは「ジャケ買い」か「タイトル買い」でした。宮部みゆきの『ブレイブ・ストーリー』がお気に入りだったような気がします。そんな少年は『風が強く吹いている』の装丁を見て「えぇ...」と思いました。このときに「えぇ...」と思った記憶が今でも鮮明に残っているんですよね。文庫版の装丁を担当された方、本当にごめんなさい。

 当時の少年は、高校生になって、まさか自分が駅伝を走ることになるとは思ってもみなかったでしょう。まさか、一緒に走っていたチームメイトがアニメーション関係の仕事に就き「風が強く吹いている」の制作に携わるだなんて思ってもみなかったでしょう。風が強く吹いている。何かと縁が深い作品です。

風が強く吹いている (新潮文庫)

風が強く吹いている (新潮文庫)

 

 

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 これらの他にも、サカナクションの「多分、風」や、近いうちに確実に売れるであろうアーティスト「藤井風」、風で場面が転換していくあまんきみこの「名前を見てちょうだい」、ラーメンズの「風と桶に関する幾つかの考察」など、紹介したい作品はたくさんあったのですが、お開きの時間がやってきてしまいました。

 「風」は動的でありながら、どこかに穏やかさも持ち合わせています。「風」はときに人を和ませ、ときに人を悲しませます。「風」は花を落とし、桶屋に利益をもたらします。

 人にとって「風」って一体何なんw

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【日】もっと気軽に失敗して失敗してみんなが笑って許せばいいのに

 

 おはようございます。カレーのつくり方を説明します。まずは、お肉・じゃがいも・にんじん・たまねぎをひと口サイズに切ります。野菜の皮は丁寧に剥きましょう。じゃがいもの芽を取り除くことも忘れずに。お肉はお好みでかまいません。鶏肉を選べばチキンカレーに。牛肉を選べばビーフカレーに。豚肉を選べばボークカレーに。フィッツジェラルドをを選べばギャツビーカレーになります。質問は受け付けません。続けます。

 これらを鍋に入れて軽く炒めたあとに、具材が浸る程度の水を入れます。まずは中火で、グツグツするまで煮込みましょう。このとき灰汁が浮いてきます。「灰汁」と書いて「あく」と読みます。漢字って難しいですね。読み方から想像できるとおり、灰汁は体に悪いです。とてもとても悪いです。小さじ1杯の灰汁を飲んだら、寿命が3年になってしまいます。3年短くなるのではありません。3年になります。小さじ1杯飲んだなら、3年きりしか生きられぬ。だから念入りに取り除きましょう。カレーづくりは命がけです。

 ひと煮立ちしたら、クミン・コリアンダー・カルダモン・ターメリック・チリペッパー・キーディス・フリー・チャド・フルシアンテを入れます。ついこの間まではフルシアンテの代わりにクリングホッファーを入れていたのですが、やっぱりフルシアンテに戻しました。お好みに合わせていろいろと試してみてください。ひと通りスパイスを入れたら弱火でコトコト煮ます。このときに、おたまで混ぜ続けるところがポイントです。混ぜることを止めてしまったら、寿命が3年になります。言ったでしょう。カレーづくりは命がけだって。マゼツヅケルンダヨ。カレーガアルカギリ。

 実を言うと今もカレーを混ぜながらこの記事を書いています。ずっと前からカレーのいい匂いがしています。じゃがいもも、いい具合に溶けて小さくなってきました。コクも随分と深くなってきたことでしょう。混ぜはじめてからどのくらいが経ったのでしょうか。今日でちょうど3年くらいでしょうか。どうも、インクです。

 

もっと気軽に挑戦して失敗してみんなが笑って許せばいいのに

  長々と書きすぎました。今日の記事は「カレーのつくりかた」が本編になってしまうかもしれません。すみません。許してください。

 「許す」と言えば、真っ先にこのセリフが思い出されます。と、このようにして半ば強引に今日の話題にもっていこうという寸法です。強引なやり方をどうかお許しください。

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岸本斉史(2008)『NARUTO 巻ノ四十三』集英社

 この兄ちゃん、めちゃくちゃ強いんですよね。男子中学生は、全員が一度は真似をしたはずです。もちろん最後のシーンもいいのですが、どちらかと言えば、その最後に繋がっていくこの日常のひとコマがいいんですよね。 許せサスケ...。また今度だ......。

  同じく『NARUTO』から引っぱってくるなら、このシーンが対照的で、比べるにはちょうどよいかもしれません。

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岸本斉史(2001)『NARUTO』巻ノ十

  このおっちゃんもまた、めちゃくちゃ強いんですよ。さすが、眉毛が太いだけあります。現実世界にこんな人がいたらたぶん嫌になってしまうのでしょうが、なんだかんだで結構すきなんですよね。この大胆なかんじがたまりません。構わーん!オレが許す!!!

 すこし『NARUTO』の世界から離れて現実世界に戻ってきましょうか。現実世界で「許す」と言えばやっぱりこの人です。まさに「許す」を体現化したような人物ですね。

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 このおじいちゃんもまた、めちゃくちゃ強いんですよ。もう説得力が段違いです。とてもじゃないけど、反論なんてできません。許すということは強さの証だ。一度でいいから言ってみたいですよね。ただ、このことばが言えるのもこの人だからこそです。筆者が言ったところでぺらっぺらの紙になって風に飛ばされてしまうでしょう。

 

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 というわけで、今日のテーマは「許す」なのですが、上で紹介した人たちが強すぎてもはや答えが出てしまっているような状況です。許すということは強さの証。まったくもってそのとおりだと思います。もう何も言えません。

 しかし、我々は彼らほど強くはありません。きっとこのブログを読みに来てくださっている方は、よわよわのよわちゃんでしょう。弱小チームに所属する弱虫の中の弱虫でしょう。だから、今日は「弱い人にとっての許す」について書こうと思います。もし、先ほど紹介した3人よりも自分の方が強いぞという方がいらっしゃいましたら、今日の記事はここまでです。ありがとうございました。弱者の皆様だけ、どうぞ先へとお進みください。

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  「相手を許す」とはどういうことなのかというと、無関心でいるということだと思っています。どうでもいいと思っている相手に固執することはありませんからね。どうでもいい相手なら、めんどくさいのでさっさと許して終わりにしてしまった方が簡単です。つまりは、無関心であれば簡単に許すことができるというわけです。

 では、どうすれば無関心になれるのでしょうか。それは、大切なものがハッキリとしているかどうかで変わってきます。大切なものがハッキリしているということは、裏を返せば、大切ではないものがハッキリしているということでもあります。大切ではないものに対してなら、無関心になることができるでしょう。だって大切じゃないんだもの。どうでもいいやと思えるはずです。

 反対に大切なものに関することなら、許す必要なんてありません。とことん許さなければいいと思います。ただし「それが本当に大切なものなのか」は常に問い続けなければなりません。多くのものを抱えたままだと前に進めませんからね。

 目の前にあるものが、自分にとって、本当に「許せない」ほど大切なものなのか。もしも大切ではないのなら、遠慮なく許してしまいましょう。そんなものに限りある時間を費やす必要なんてありません。本当に大切なものにだけ時間をつかっていけばいいのです。本当に大切なものが危険にさらされそうになったときにだけ「許さない」という選択肢をとればよいのです。もしかするとそのように考えられることこそが「強さ」なのかもしれません。

taishiowawa.hatenablog.com

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 この「許す/許さない」という話は、言わば「イライラする/イライラしない」という話とよく似ています。ひとことで言うならば「アンガーマネジメント」というやつです。人生においてイライラしている時間ほど無駄なものはありません。だれかに対してイライラしている時点であなたの負けです。相手のために時間をつかってしまっているわけですからね。

 そのイライラの対象は、本当にあなたの貴重な時間を割かなければならないほど大切なものですか。イライラしてまでなんとかしなければならない重要なものですか。あなたにとって大切なものはなんですか。そして、大切ではないものはなんですか。

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【土】どこまで違和感を強く感じられるか

 

 おはようございます。わたしは休日を無駄にしないようにするためにあらかじめ今日するべきことを先にここで宣言しておこうとわたしは思います。でも順番はばらばらだと思うのでぜんぜん気にしないようにしてください。まずはじめにわたしは髪を切りに電車に乗って行こうと思います。なぜなら長い間髪の毛を切っていなくて髪の毛が伸びていて長くなっていてうっとおしいなと思っていることが理由です。それから、わたしは電車に乗って映画館に映画を観に行こうと思います。なんの映画を見るかどうかはまだ決まっていないのであとで決めようと思うので、決めた映画がおもしろい映画だったらいいです。どうも、インクです。

 

どこまで違和感を強く感じられるか

  どうですか。違和感を強く感じられましたか。意図して文章に違和感を配置するのは案外難しいものですね。職業柄このような文章を読む機会がたくさんあるので、なるべく「あるある」を取り入れたつもりです。みつけられたでしょうか。

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 今日はこれらの「あるある」を解消しながら文章を整えていく「推敲」をみなさんと一緒に進めていけたらなと思います。この記事を読み終わったころには、あなたも上手な文章が書けるようになっていることでしょう。準備はいいですか。はじまりますよ。それでは、レッツ推敲! ☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆

 

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  それでは、細かい推敲をはじめる前に「読みづらい文章」のポイントをおさえておきたいと思います。本当はもっとたくさんあるのですが、今日はこれらのポイントに焦点を当てて推敲を進めていきます。 

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 これらのポイントを踏まえた上で、もう一度はじめの文章を読んでみてください。見事に4つのポイントをおさえていると思います。まあ、それを意識しながら書いたので当然と言えば当然なんですけどね。ちゃんと読みづらかったでしょ。
 このように、はじめは「3つ」と言っていたのに、蓋を開ければ「4つ」あるというのも読みづらいポイントのひとつになってしまうので、書くときや話すときには十分に気をつけてくださいね。それでは、具体的な推敲をはじめていくことにしましょう。

 

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 さっそく「わたしは」という一人称主語が登場しています。この主語は要りません。なぜなら「休日を無駄にしないように〜」と書き始めても、主語が「わたし」であることは十分に伝わるからです。わざわざ言わなくても伝わることは書かない。読みやすい文章を書く上でこの感覚はとても大切です。

 続いて、重複が見られます。「あらかじめ」と「先に」はほとんど同じです。さらにその後に「わたしは」が出てきています。先ほど削除してしまいましたが、もし文頭の「わたしは」を残していたとすれば、ここでも重複が発生することになります。最後の「思います」も可能ならば消してしまいたいですね。

 と、こんなことを考えながら体裁を整えていくと、はじめの一文はこのような文へと姿を変えます。

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 なんということでしょう。あんなにゴチャゴチャとして読みづらかった文章が、匠の手によってこんなにスッキリとした姿になりました。階段裏のスペースは収納に大変身。これで、子どもたちの野球道具やお父さんのゴルフ道具でいっぱいだった玄関も広々とつかうことができます。

 この調子で進めていると日が暮れてしまうので、2文目以降はサクサクと推敲していきましょう。まだまだ先は長いですからね。

 

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 単刀直入に言えば、この文は要りません。きっと「実際の順番はどうなるかわからないよ」という保険のつもりで書いたのだと思いますが、これを読者に伝える必要はまったくと言ってもいいほどありません。

 髪を切ってから映画を観ようが、映画を観てから髪を切ろうが、読者からすれば知ったこっちゃないのです。なんなら、別に結果的に「髪も切らなかったし映画も観なかった」でも構わないでしょう。読者が追うのは文章であり、実際の行動になんてそれほど興味はないのです。

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 この2文は、なかなかいい駄文ですよね。はじめにご紹介した4つのポイントを見事におさえています。順番に解消していきましょう。まずは重複から。

 これはよくやってしまう誤りなのですが「まず」と「はじめに」は重複しています。「まずはじめに」とセットでつかってしまいがちですが、どちらかひとつで事足ります。つづいて「伸びていて」と「長くなっていて」も重複していますね。これもどちらかひとつでよいでしょう。

 そして、これもまた子どもたちによく注意をする書き方なのですが「なぜなら」ではじまる文の末尾は「〜から」になります。このままだと、ある意味「なぜなら」と「理由です」が重複していることになってしまうのです。

 一人称主語や「思います」など、その他諸々も含めて推敲すると、次のような形になります。

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 スッキリしましたね。もはやこれだけでいいんですよ。そこから話を広げるのならまだしも、今回の文章なら「電車に乗って行く」という要素も必要ありません。いらないものはどんどん削る。まさに言葉ダイエットです。

 

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 いよいよ最後です。「それから、わたしは電車に乗って映画館に映画を観に行こうと思います。」は省略しますね。この人はよほど電車がすきなのでしょう。

 さあ、この文も相変わらず読みづらいですね。みなさんも「なんだこの文は」を鼻で笑っているかもしれませんが、意外とやりますよこの形。ツイッターでもよく見かけます。

 要するに、「ので」が2回くり返されているんですよね。「映画」の重複も気になりますが、やはりこのくり返しがもっとも大きな原因だと思います。そのせいで一文も長くなってしまっています。

 「決めた映画がおもしろい映画だったらいいです」とかも「知るかよ!」という話です。せめても、ここは「思います」をつかった方がいいのではないでしょうか。決めた映画がおもしろい映画だったらいいなと思います。うん、こちらの方がしっくりきますね。

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 内容はまったくおもしろくありませんが、形はきれいに整ったのではないでしょうか。これで、すべての文の「不要な無駄」を削り取ることができたので、あとは「効果的な無駄」を付け足す作業です。

 もちろん今回のように「書いてから消していく」という進め方をしてもいいのですが、慣れてくるとこれが脳内でできるようになるわけです。本当に文章が上手な人は推敲された状態のことばがはじめから出てきますからね。もう頭が上がりません。

 最後は、すべての推敲を終えた文章でお別れにしましょう。最後まで読んでくださってありがとうございました。これであたなの書く文章も読みやすくなると思うので、わたしはまたあなたの文章を読みたいと思うので、ぜひなにか文章を書いてみてほしいとわたしは思います。

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 おはようございます。休日を無駄にしないように、今日するべきことをここに宣言しておきます。まずは、この伸び切った髪を切りに行きます。そして、そのスッキリとした頭で映画を観に行こうと思います。きっといつも以上に内容が入ってくることでしょう。どの映画を観るのかはこれから決めます。あ、するべきことがひとつ増えてしまいましたね。まずは、どの映画を観るのかを決めるところから始めようと思います。みなさまもどうかよい休日をお過ごしください。どうも、インクでした。

 

 

【金】「感謝しなさい」ってすごいことばだよな

 

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BGM「蛍の光」

 今日の記事は先着10名様限定でした。読んでくださった10名様、誠にありがとうございました。更新に関する情報はツイッターで告知していますので、まだフォローされていない方がいらっしゃいましたらよろしくお願いします。明日からは通常通り無制限で公開しますので、またのご来店を心よりお待ちしております。

 

 

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