ツイートの3行目

小学校の先生です。ツイートは2行まで。3行目からをここに書いていきます。

【日】「おかしいでしょ!」では何も変わらない

 

 おはようございます。先日とあるテレビ番組で、チョコレートプラネットの長田さんが「このままだと老人になったときに話せるエピソードトークが少なすぎると思ったから、東京に出て芸人になった」とおっしゃっていました。とてもいい理由ですよね。

 長田さんと言えば、和泉元彌さんのモノマネやTT兄弟など、数々のネタをヒットさせているわけですが、個人的には外見がとてもいいなと思っています。

 めちゃくちゃいい人にも見えるし、めちゃくちゃわるい人にも見えるんですよね。桜井画門先生の漫画『亜人』に出てくる佐藤さんと重なります。

 べつに長田さんが悪い人だと言っているわけではありませんよ。「いい人にもわるい人にも見える」というのは褒めことばです。誤解してはなりません。

 どれくらい長田さんが好きかと言うと、両手をめいいっぱい広げたくらい好きです。両手を思い切りまっすぐに広げて ...... T! ティー、ティティ、ティーティーティティ! どうも、TTインクです。

 

「おかしいでしょ!」では何も変わらない

 静かにしましょう。姿勢を正しましょう。教室を走るのはやめましょう。イスを二本足にするのはやめましょう。手元でゴソゴソするのはやめましょう。

 子どもから子どもへと、いわゆる「注意」が行われます。そして、そのほとんどの場合は名指しです。「〇〇さん、静かにしましょう」と言うわけです。

 するとどうなるかは想像がつくでしょう。「そんな言い方をしなくてもいいのに」とか「お前には言われたくない」とか「なんでオレだけに言うの」とか。

 くだらない水かけ論がはじまって、ついにはケンカがおこりはじめるのです。「注意」がきっかけになってケンカが起こることは本当に多いです。

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 では、どうしてそんなにも他者に注意をしたがるのかというと、その理由はふたつあります。ひとつ目は「いいことだと思っているから」です。

 「相手のためを思って、正しいことを教えてあげている」というポーズをとることができるので、タイミングや言い方が合えば、大人たちも褒めてくれます。

 言い換えるのなら、多くの人の支援を味方につけながら、圧倒的な「正しさ」を纏えるというわけです。だからこそ、自信をもって言うことができるのです。

 ふたつ目の理由は「自分が不安だから」です。今しがた「自信をもつことができる」と書いたばかりですが、自信がないからこそ自信がほしくなります。

 自信がなくて、不安だからこそ、他者に注意をするという行為を通して、安心しようとするのです。あの人よりも自分の方が正しい、あの人よりも自分の方ができている、というわけです。まさにネット上で散見される「マウンティング」というやつですね。

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 このマウンティング注意が増えはじめると、学級集団としては、あまりよろしくありません。他者の粗を探す人がたくさんいるということですからね。

 自分たちのことは自分たちでする「自律した集団」とは、まったくもって意味合いが違います。手を繋ぐどころか、誰かを蹴落とすばかりです。

 だからこそ、大人の先導が必要になるわけですが、ここが難しいところです。「言い方を考えなさい」とか「小さな声で優しく言いなさい」とか、注意そのものを何とかしようとしてしまうのです。

 先ほど述べたとおり、マウンティング注意の原因は「その子自身が不安である」というところにあります。ことば尻だけを捉えて指導しても、不安は解消されません。だから同じことをくり返してしまいます。

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 その子にとって本当に必要なのは「安心」です。他者のことなんて気にならないくらいに安心できる「べつの場所」です。簡単に言えば、見ている方向を変えてやるということですね。

 なんだか遠回りをしているように見えるかもしれませんが、ここに原因があるのだから仕方ありません。むしろ、このように直接的ではないように見えるからこそ、ミスリードが起こってしまうのです。

 他者にとやかく言う人は、自分が不安。この関係性さえ捉えておけば、アプローチの方法も何かと変わってくるはずです。言ってしまえば、問題行動のほとんどは、その子自身の不安が原因ですからね。大人が首の角度をちょいと変えてやるだけで、その子はみるみる輝きを放つようになるのです。

 

【今後の予定】

①11月25日(水)こきけんよう Vol.20

②12月4日(金)らぱいんざWORLD Vol.9

 

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