【火】改善点がはっきりしたあとの「じゃあ、どうするのか」に時間をつかおうぜ
おはようございます。週末になると、いつも行く映画館の今週のラインナップを確認します。すこしでも気になれば、YouTube で検索して、予告編を視聴します。そして、観に行くかどうかを決めています。
映画館に観に行かないと決まれば、今度は prime video で旧作をさがします。観たい旧作はいくらでもありますからね。必ず1本はみつかります。
こうして観る映画を決めています。ここ数週間はあまりピンとくる映画がなかったので、おうちで旧作コースでした。ただ、それでもやっぱり、久しぶりに映画館に行きたいなと思い、先週末は街へ出ました。
空いている映画館というのは本当によいものです。肘をついても、脚を組んでも、左右のどちらにドリンクを入れても、誰にも迷惑がかかりません。映画業界は盛り上がってほしいけど、お客さんは増えてほしくないという複雑な感情です。どうも、インクです。
改善点がはっきりしたあとの「じゃあ、どうするのか」に時間をつかおうぜ
改善点がはっきりしたあとの「じゃあ、どうするのか」に時間をつかおうぜ
— インク@青年求職家 (@firesign_ink) 2020年11月15日
人は誰かの改善点を指摘することが得意です。ここがこうだからよくない。ここは目的とズレている。ここはもう少し詰めた方がよい。ここは間違っている。
他者の粗はよく目につきますからね。粗がない人間なんていないので、すこし見れば簡単にみつかるわけです。しかも人の粗を指摘すれば、まるで自分が立派な人間であるかのような気がしてきます。
どうしても「的確なポイントを指摘してやったぜ」という気分になってしまうのです。だからこそ、いちどこの快感を知ってしまうとなかなか抜け出せなくなり、歳をとるにつれて小言が増えていくわけです。
人は改善策を講じることが苦手です。ここがこうだからこうしてみよう。ここは目的とズレているからこう修整したらよいのではないか。ここはもうすこし詰めた方がよいから今からこれをやろう。ここは間違っているからこうすればうまく合うはずだ。
他者の粗をみつけたら、それだけで満足してしまいますからね。相手の痛いところをつつくことができたら、それだけでご機嫌になってしまうのです。
いわゆる「マウンティング」と呼ばれている行為にも近しいのかもしれません。相手よりも優位に立つことに快感を覚え、改善点を探しては指摘することだけに一生懸命になってしまうのです。
学校の先生の仕事で言えば、研究授業が終わったあとの討議会などで、この現象がよく起こります。授業の進行や発問の仕方や指導案の粗を見つけては、指摘するだけ指摘して、会が終わっていくのです。
べつに改善点の指摘がわるいと言っているわけではありません。ものごとを前に勧めるためにも、的を射た改善点の指摘はとても大切です。ただし、それらはあくまでも、議論の出発点に過ぎません。
今日のタイトルにもあるとおりです。改善点がはっきりしたあとの「じゃあ、どうするのか」に時間をつかおうぜという話です。指摘はただの起点であり、そこから広がることに価値があるのです。起点がいくつあっても、広がりがなければ仕方ありませんからね。
研究授業の例をさらに広げるならば、大抵の改善点は授業者自身がいちばんよくわかっています。「あそこをもっとこうしておけばよかった」なんて、授業の途中段階ですでに思いはじめますからね。
そんなところをわざわざ他者が掘り返して、ああだこうだと言ったところで、授業者からすれば「もうわかったわかった」という話です。「そこがダメだったのはもうわかったから、これからどうするのかに時間をつかおうよ」とついつい思ってしまうのです。
もちろん、授業者自身も人のせいにしてばかりではいられません。大抵の討議会は「授業者の振り返り」からはじまりますからね。そこでどのように語るのかによって、会の方向性も変わってくるわけです。
結局のところ何が言いたいのかというと、うまくいかなかったことは今さら何を言ったところで変わらないのだから、指摘はできるだけ短く済ませて、これからのことに時間をつかおうよという話です。
人間である限り、エラーはつきものです。それにも関わらず、まわりの人間が寄ってたかってエラーをつつきはじめたら「エラーをしてはいけない空気」が漂ってしまいます。そんな空気が充満すると、リスクを背負いづらくなってしまいます。
リスクを背負わないということは、挑戦しないということです。挑戦しないということは、前に進まないということです。前に進まないということは、相対的に後退するということです。
もちろん一概には言えませんが、多くの学校現場がこのような状況に陥っているのではないかと思っています。リスクを背負えなくなった時点で、後退するしかないのです。エラーをしないように頑張っているはずなのに、うしろに下がっていくのです。
気がつきましたか。この記事は大きなパラドクスを孕んでいます。この先はみなさんにお任せしますね。
【今後の予定】
①11月18日(水)こきけんよう Vol.19
②12月4日(金)らぱいんざWORLD Vol.9
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①11月18日(水)こきけんよう Vol.19
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