ツイートの3行目

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【木】尊敬する人は小林賢太郎です

 

 おはようございます。このブログにはたびたび登場するラーメンズの小林賢太郎さんが、珍しくさまざまなニュースサイトで取り上げられていましたね。

 どうやら「パフォーマー」を引退するそうです。「この人は舞台の上で生きて、舞台の上で死ぬんだろうな」と思っていたファンたちからすれば、わりと衝撃的な発表だったのではないでしょうか。

 はじめて小林賢太郎さんを生で観たのは、K.K.P. 「ノケモノノケモノ」だったような気がします。2014年のことですから、もう6年も前になりますね。

 その後もいくつかの公演を実際に観に行きましたが、どの公演もさすがと言わざるを得ないクオリティでした。そんな人物が引退を表明しているわけです。

 寂しくないと言えば嘘になりますが、どうせまたすぐに何かをはじめるのでしょう。彼のファンがいちばん得意なことは「待つこと」ですからね。

 今日はそんな待ち時間をつかって、改めて「小林賢太郎」という人物について書いてみようと思います。「小林賢太郎って誰なんだ」と思っている方は、きっとこの記事を読み終わったころに「結局誰なんだ」と思っていることでしょう。どうも、インクです。

 

尊敬する人は小林賢太郎です

 小林賢太郎(以下敬称略)が世に出たきっかけは「ラーメンズ」というコントユニットでした。コントは YouTube で観られますし、詳細は Wikipedia に書いてあるので、基本情報は割愛します。

 どこかに分類しようと思ったら「お笑い芸人」になるのかもしれませんが、あまりにも毛色が違いすぎて何とも言い表せません。だから「お笑いコンビ」ではなく「コントユニット」なのでしょう。

 そんなコントユニットは、かなりはやい段階でテレビに踏ん切りをつけました。理由は単純明快です。テレビが苦手だったのです。オンエアバトルのように「ネタだけ」での出演ならまだしも、多くのバラエティ番組では「素の部分」が要求されますからね。

 本人は、このことについて「ミッキーマウスでいたい」と述べています。メイキングを含む裏側は見せずに、作品だけで勝負がしたいというわけです。

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 小林賢太郎がかっこいいのは、本当にそれを実現させているところです。先輩の芸人から「みんなそう思うもんなんだよ」だなんて言われ方をされていることもありました。きっとそれもまた事実なのでしょう。

 多くの芸人が「自分が信じる笑い」だけで勝負をしたいと思っています。しかし、芸能界を生き抜くためにはなかなかそういうわけにもいきません。

 生きていくために、そしてうまくやりくりするために、ハライチの岩井さんが言うところの「お笑い風」に手を出していくのです。実は、小林賢太郎が「お笑い風」をしている映像なんかものこっています。

 彼なりにいろいろと試してみたのだと思います。その上で、苦手なテレビから足を洗って、舞台というフィールドで生きていくことを決めたのです。

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 そんな人物が、2020年12月1月に、表舞台から引退することを発表しました。小林賢太郎を知らなかった人も、おおよその流れはご理解いただけたでしょうか。舞台に生きた人間が、舞台から降りることを発表したのです。実際の文面は以下のとおりです。

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 正しい表現なのかはわかりませんが、この文章を読んだときに「人間宣言だ!」と思いました。本文にもあるように、足のことなどいろいろとあるようですが、筆者には「ミッキーマウスを引退する」という内容に見えたのです。ただの推論ですけどね。

 ただそう考えると、いろいろなところで予兆のような動きがあったことに気がつきます。いちばんわかりやすかったのは『ボクらの時代』への出演でしょう。

 2013年の4月28日の回に、いとうせいこうさんとバカリズムさんと共に出演しています。当時で「民放は11年ぶりだ」とおっしゃっていました。

 『ボクらの時代』なんて、まさに「素の部分」を要求される番組です。メイキングを見せることを趣旨としていますからね。この番組に出ることは「ミッキーマウス」とは相反する行為だったのです。

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 それにも関わらず、どうして出演したのかと考えてみると、これもまた同番組内での発言にヒントがありました。それは「最近になって下の世代のことも考えるようになった」という内容の発言です。

 実際に、出演の翌年には「僕がコントや演劇のために考えていること」という書籍を発表しています。すこし時は進みますが、K.K.P. の過去作である『 TAKE OFF 』の10周年記念として副音声ライブを開催したときは、本当にびっくりしました。これまでの彼なら絶対にやらなかったでしょうからね。

 実際にこのライブには足を運んだのですが、小林賢太郎がひとりのおじさんとして、ふつうに喋っていたことが新鮮すぎてとても記憶に残っています。

 その後も、コントのワークショップを開催したり、自身の作品のクロコを公募したりと、作品世界に他者を招き入れるような動きが増えていきました。

僕がコントや演劇のために考えていること

僕がコントや演劇のために考えていること

 

 そもそもを言ってしまえば、はじめから彼は「語りたい人」ですからね。手段として「舞台」を選んでいただけで、結局はそこにも、キザで、イタくて、かっこいい「小林賢太郎」がいたわけです。

 そんな小林賢太郎が、いよいよ被りものを捨てて「ミッキーマウスになったからこそ得られた知見」を、後世に語り継ごうとしてるように見えるのです。

 言い方を変えると、年齢とともに「死」を強く意識するようになったと言えるのかもしれません。自分がいなくなった、そのあとの世界についてです。

 そう考えると、今回の発表は、とても彼らしい選択だったなあと思います。はじめにも述べたように、ひとりのファンとしては寂しくも思いますが、人間になった小林賢太郎にも、ものすごく興味があります。

 いつかは会って話をしてみたいなと思います。もしかすると、考えようによっては、ミッキーマウスであったころよりも、人間になった今の方が会いやすくなったと言えるのかもしれません。

 

【今後の予定】

①12月4日(金)らぱいんざWORLD Vol.9

②12月9日(水)こきけんよう Vol.22

 

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