おはようございます。「ラーメンズ」という芸人さんが大好きです。ラーメンズと出会うまで、芸人さんはテレビに出てなんぼだと思っていました。ライブ等にも行ったことがなかったので「芸人=テレビで活躍している人」というイメージが強かったのです。
実際に、芸人さんたち自身も「テレビに出られる/出られない」という言い方をしますからね。今のミドル世代の芸人さんなんて、まさに「テレビ」に憧れて門を叩いた方がたくさんいらっしゃるのでしょう。
そんな中で、いち早く「テレビ」という手段を切り捨てたのがラーメンズでした。理由は単純です。テレビが苦手だったからです。今のキングコングがやっていることとよく似ていますよね。苦手な分野は早々と切り捨てて、自分たちがもっとも輝くことのできる「舞台」に軸足を置くことに決めたのです。
しかも、それで大成功しているわけです。当時は散々批判されたようですが、あれから十数年経った今でも彼らは舞台に立ち続けています。ろくな告知をしなくても、チケットは即完売です。まさに宣言どおりです。こんなにかっこいいことはありません。
YouTube にコントがたくさん上がっているので、観たことのない方はぜひご覧になってみてください。これがコントというものです。どうも、インクです。
おもしろい大人たちはみんなちょっとずつイタい
おもしろい大人たちはみんなちょっとずつイタい
— インク@青年求職家 (@firesign_ink) 2020年10月8日
もうすこしだけラーメンズの話をつづけます。ラーメンズは2人組なのですが、ブレインとして機能しているのは、小林賢太郎という人物です。
ご存知の方ならうんうんと頷いていただけるかと思うのですが、彼はそこそこにイタいです。自意識が強くて、いつも理屈をこねています。そのくせして恥ずかしがり屋で、大抵はスカしています。
彼のファンは、そんな「イタさ」も含めた小林賢太郎さんが大好きです。むしろその「イタさ」こそが小林賢太郎という人物の魅力だと思っています。
これこそが、根強いファンをつくるために大切な要素なのでしょう。まわりの人に「イタさ」を愛してもらえるかどうかが重要だというわけです。
こんなことを考えていると、ひとつのことばを思い出します。それは堺雅人さん演じる古美門研介の「醜さを愛せ」というセリフです。印象的な場面だったので、観ていた方は記憶に残っていることでしょう。
そうです。「リーガルハイ2」の最終話です。自分なりの正義を信じて奔走する羽生春樹こと岡田将生さんに対して、古美門が発するセリフです。せっかくなので、もうすこし前から引用してみましょう。
もし君が、皆が幸せになる世界を築きたいと本気で思うのなら、方法はひとつだ。醜さを愛せ。
先ほどの小林賢太郎さんの例でいう「イタさ」と、古美門研介が言う「醜さ」が類似したものであると考えると、いろいろなものが見えてきます。
「イタさ」が多くの人から愛されることでやりたいことを貫いた小林賢太郎と、「醜さ」を愛せと言う古美門研介と。「イタさ」や「醜さ」にはその人の魅力がたくさん詰まっているはずなのです。
その傾向が顕著に表れているのが YouTuber です。つくり込んだものを見せるでもなく、過度な編集で自分を美化するでもなく。頻度の高い更新で、自分の「イタさ」や「醜さ」を自然と露出しています。
芸人さんの深夜ラジオとも少し似ているのかもしれません。大人たちにお伺いを立てることなく、好きなようにできるからこそ、露呈するものがあるのです。
当然、一定の人たちに「イタさ」や「醜さ」は嫌われてしまうことでしょう。勝手に抱かれていたイメージとのギャップに幻滅されてしまうのです。
アイドルなんて、この点においては本当に大変なのでしょう。偶像を売りにしているわけですからね。ただ近年は、わりと「イタさ」や「醜さ」をも前面に押し出すようになってきたような気がします。
やはりAKBグループの力が大きかったのでしょう。「イタさ」や「醜さ」にバリエーションをもたせることで、多くのファンを獲得してきたのです。
散々言われていることですが、時代の流れは間違いなくこちらにあります。裏が見えないカッコよさではなく、「イタさ」や「醜さ」を含めた「その人らしさ」に人が集まるようになってきたのです。
逆に言えば、まさに古美門の言う「醜さを愛する力」が必要な時代になってきました。他者の「イタさ」や「醜さ」をいちいち嫌っていては、誰のことも好きになれなくなってしまいます。
わがままで、勝手で、ずるくて、汚くて、醜い底辺のごみくずども。それこそがわれわれ人間だ。自分も底辺の醜いごみくずの1匹であることを自覚しろ。
字面だけを見ると強烈ですが、これこそがあらゆるものごとの出発地点なのかもしれません。醜さを愛せ。他者の醜さも。そして、自分の醜さも。
【今後の予定】
②11月18日(水)こきけんよう Vol.19
①12月4日(金)らぱいんざWORLD Vol.9
【リスナー募集】
①11月18日(水)こきけんよう Vol.19
毎週水曜日の定例会です。次回も21時スタートです。どうでもいい話をしています。週の真ん中、折り返し地点として聴きに来てはみませんか。声を出せる人はぜひとも一緒にお話ししましょう。水曜日に予定があるというだけで、目安になっていいものですよ。参加希望はツイッターのDMまで、よろしくお願いいたします。
【ホームに戻る】