ツイートの3行目

小学校の先生です。ツイートは2行まで。3行目からをここに書いていきます。

【日】だいせんじがけだらなよさ

 

 おはようございます。かつては、いろいろな音楽を自ら掘り進めて聴いていたのですが、今ではそこに労力をかけることも少なくなってしまいました。それに伴い、音楽に突き動かされるということも随分と減ったような気がしています。

 昔から大好きな BUMP OF CHICKEN の「サザンクロス」という曲の中に「好きだった唄はまだ聴こえますか」という詞があります。この詞を耳にしたときから「いつかは聴こえなくなってしまうのだろうな」とは思っていました。きっと、音楽が変わったのではなく、自分自身が変わったのでしょう。

 そんな中でも、いくつかの新しい曲には毎年出会うわけですが、最近ひさしぶりに「ちゃんと聴こえる曲」と出会うことができました。映画「わたしは光をにぎっている」の主題歌になっていた、カネコアヤノさんの「光の方へ」という曲です。こういう出会いがあるからこそ、なかなか耳からイヤホンを外すことができないんですよね。どうも、インクです。

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だいせんじがけだらなよさ

へんな言葉ほど

おまじないにはいいのです

私がよく言ったのは

だいせんじがけだらなよさ

 大抵のことは簡単に忘れてしまうのですが、人から言われたことばの中で、妙に記憶にのこっているものがいくつかあります。べつに強烈なことを言われたわけでも、感動するようなことを言われたわけでもありません。きっと、言った当人はとっくの昔に忘れてしまっていることでしょう。

 むしろ、そんな何気ないことばの方が、人の記憶にはのこりやすいのだろうなとも思います。学校の先生のことばなんてまさにそうで、みなさんの記憶の中にもひとつやふたつはのこっているのではないでしょうか。まずは、そんな「学校の先生に言われたことば」からご紹介したいと思います。

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 あれは高校3年生のころ、大学受験に向けて集団面接の練習をしているときのことでした。面接官役の先生に「授業でひとつのことわざを扱うとしたら、どのことわざを選んで、どのような授業をしますか」と問われ、迷った結果「風が吹けば桶屋が儲かる」を選んだことを今でもはっきりと覚えています。

 「物語のはじまりとおわりを固定して、その過程を創作する」という国語の授業を提案しました。完全にラーメンズのコント「風と桶に関するいくつかの考察」の受け売りです。ただ、当時の高校の先生がラーメンズなんて知っているわけもなく、きっとおもしろく聞こえたのでしょう。

 練習が終わってから、先生にこんなことを言われました。「なんだ、ちゃんと話せるじゃん」と。これが妙に記憶に残っているひとつ目のことばです。ちなみにこの「先生」というのは、当時の「担任の先生」でした。このことばを聞いた瞬間に「あ、やっぱり何もわかってくれていなかったんだ」と思いました。

  今思い返せば、こちらがわかってもらうための努力をしていなかったので、わかってもらえなくて当然です。しかし、思春期の高校生は「この人に頼らなくてよかった」と安心したのと同時に「1年も一緒にいたのに何もわかってくれなかったんだ」と、大人にがっかりしたのでした。

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  妙に記憶に残っているふたつ目のことばを言われたのは、大学生のころでした。当時は個別指導の学習塾でアルバイトをしており、主に中高生を受けもっていました。「講師ひとりに対して生徒がふたり」という今ではよく見る形式です。

 当たり前ですが、個別指導という形をとれば、一斉指導よりもひとりの生徒に費やすことのできる時間が圧倒的に長くなるわけです。学習指導という面でももちろんですが、学習とは関係のない話もたくさんすることができました。

 のちに小学校の先生として、一斉指導という形を経験することになるわけですが、やはり個別指導ならではのおもしろさがあったなあと思います。妙に記憶に残っているふたつ目のことばは、当時の生徒に言われたことばでした。

 「先生はリアクションが薄いけど、なんかおもしろいよな」と言われたのです。こう言われて、単純に嬉しかったのでしょう。先ほどの高校時代の話とは真逆で、要は「ちゃんと伝わっているんだな」と実感することができたのです。

 「なんかおもしろい」っていいですよね。当時の友人にこのことを話すと「その子はよくわかっている」と言っていました。もちろん相手の捉え方次第なわけですが、これからも「なんかおもしろい」人でありたいなと思います。

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 妙に記憶に残っているみっつ目のことばは、実はもうどこかのタイミングでこのブログに書いたことがあります。長い付き合いになる友人と、いつものように飲みに行ったときのことでした。

 何気ない会話の中で、ふと「笑うようになったね」と言われたのです。このことばには思わずドキッとしてしまいました。この人が言うのなら、たぶん本当なのだと思います。まあ、この人の前だからこそ、安心して笑うことができているという可能性も充分にありますけどね。

 これもまた、たびたびこのブログには書いていますが、昔から笑うことは苦手でした。笑うのがしんどいとさえ思うこともありました。そんな人間にとって「笑うようになったね」ということばは、とても新鮮に響いたのです。

 でも、この人の言うとおり、たしかに最近は笑うことができるようになったのかもしれません。「おもしろくないときには笑わない」と決めたことが大きかったような気がします。

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 本当はもっとたくさんのことばを、いろいろな人から言われてきたのでしょうが、このみっつ以外はほとんど思い出せません。面接練習にアルバイトに晩ごはんと、みっつとも出来事としては大したことがないんですけどね。やっぱりこの「何気なさ」がポイントなのでしょう。

 みなさんの記憶に残っているのは、だれに言われたどんなことばですか。問いかけておいてなんですが、もしかすると思い出したくないという人もいるのかもしれませんね。当然ですが、そんな人は無理に思い出す必要はありません。ただ、記憶に残っているということは、自分にとって何かしらの意味をもったことばなのかもしれません。

だいせんじがけだらなよさ

だいせんじがけだらなよさ

さかさに読むと

あの人がおしえてくれたうたになる

taishiowawa.hatenablog.com

 

【今後の予定】

・8月26日(水)こきけんよう with ともさん、Nobueさん、よしのさん

・8月29日(土)4コマ漫画ができるまで with こちゃさん

・9月11日(金)らぱいんざWORLD with らいざさん、らぱんさん

・9月25日(金)らぱいんざWORLD with らいざさん、らぱんさん、mucchuさん