ツイートの3行目

小学校の先生です。ツイートは2行まで。3行目からをここに書いていきます。

【土】リプを送れば議論ができると思ったらダメよ

 

 おはようございます。今週から2学期がはじまり、今では6時間目までみっちり授業をしています。「こんなに疲れるもんだっけ」というのが率直な感想です。子どもたちも同じように思っているのでしょう。

 例年どおりにはいかない運動会に校外学習に宿泊行事に、放課後は会議だらけです。ああだこうだ言っていると、あっという間に17時を過ぎています。

 もちろん子どもたちのことが最優先なわけですが、こんなにいきなりスロットルを回して、先生たちが大丈夫か?とすこし心配になってきます。

 2学期は長いですからね。本当ならもっとのんびりいきたいのになあ。12月ごろにガス欠になっていないことを願うばかりです。どうも、インクです。

 

リプを送れば議論ができると思ったらダメよ

 他者のツイートにリプライを送って、思いどおりの返事がかえってこなかったら「都合がわるくなったから逃げた」とか「都合のよいものにだけ返信している」とかいうことを言いはじめる人たちがいます。

 このような人を見るたびに「かわいそうになあ」と思うのと同時に、インターネット上では昔からくり返されていることなので、もはや仕方のないことなのかもしれないなとも思います。

 「自分がこれだけの熱量をもってリプライを送っているのだから相手もそれに応えて当然だろう」と本気で思ってしまっているのです。

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 このようなやりとりは、子ども間でもよく見られます。「ドッジボールをやろうよと誘ったのに、提案に乗ってくれない!」と泣きはじめるアレです。

 要するに「断られる」ということを想定していないのです。「誘う」という行為が「自分に合わせてもらうこと」なのだとわかっていないというわけです。

 だからこそ、断られたら「友だちだと思っていたのに」とか「前からやろうと言っていたのに」とか、屁理屈をこねて相手を悪者にしようとします。

 さすがに大人になってこんなことを言う人はいませんが、インターネット上になると途端にできなくなってしまいます。リプを送れば、同じ熱量で返信をしてくれるはずだと本気で思ってしまうのです。

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 リプを送るということは、相手の時間を奪うということです。あなたの都合で発せられたメッセージを、相手に読んでもらうわけですからね。電話やメール、LINEだって結局はおなじです。

 メッセージを読む分だけの時間を奪い、返信するというタスクを一方的に追加させているのです。「そんな、大袈裟な」と思っているかもしれませんが、これは紛れもない事実です。

 だからといって「リプを控えろ」と言っているわけではありません。気軽にメッセージを送れることがSNSの強みですからね。時間を奪われたくない人は、はじめから手をつけるべきではないでしょう。

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 大切なのはここからです。リプライは不可抗力です。相手の都合で送信されるものですからね。「ドッジボールやろうぜ!」と同じです。

 しかし、その誘いに乗るかどうかは誘われた側の判断です。「いいね!やろうやろう!」と乗っかるのも自由ですし「いや、今日は鬼ごっこをする」と断るのも自由です。自分の時間をこの誘いに費やすかどうか。この選択権は誘われた側、要はリプを送られた側にあるわけです。

 極端な話「無視をする」だってひとつの選択肢です。勝手に送ってこられているだけですからね。必ずしもそのメッセージに応えなければならないわけではありません。

 それでもやっぱり「リプを送れば議論ができる」と思っている人たちがいるので、ツイッターには「リプを制限する」という新機能が加わりました。とてもいい機能だなと思いましたが、それと同時に「引用リツイート」をすればいいのになとも思います。

 引用リツイートは「相手へのメッセージ」ではなく「自分の発言」ですからね。相手へ通知は届きますが「返事を送らなければならない」というタスクを発生させずに済みます。もし引用リプライに返事がもらえずにスネるような人がいたら、それはもうどうしようもありませんけどね。

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 なんだかすこし話がそれてしまいましたが「思い通りの返信がないからといって相手を悪く言うのはどう考えても筋違いだぞ」というお話でした。まあ、そんな誘いに中途半端に乗ってしまう側にも多少の責任はあるんですけどね。

 「そういうことじゃないんだよ」と一生懸命話そうとしてみたり、丁寧を装って煽り返してみたり。そもそもツイッターで議論ができると思っていること自体がまちがっているのです。

 自分のツイートに対してリプライをいただけるというのは、もしかするとありがたいことなのかもしれませんが、本当にそこに時間を割くべきなのかはよく考えなければなりません。

 そして、こんなことを言ってしまうと元も子もありませんが、インターネットの世界を生き抜く上で必要なのは「意識の改善」ではなく「インターネット歴」だと思っています。当たり前のようにつかっているのでしょうが、たぶんほとんどの人がインターネットを知りません。

 わたしたちはもうすこし、インターネットならではの世界観を知り、繋げるところは繋げて、切り離すところは切り離して、上手に付き合っていく必要があるのではないでしょうか。

taishiowawa.hatenablog.com

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