ツイートの3行目

小学校の先生です。ツイートは2行まで。3行目からをここに書いていきます。

【木】運動会や音楽会は教師の指導力発表会みたいなところがある

 

 おはようございます。最近は音声コンテンツをよく聴くようになりました。朝もラジオを聴きながら支度をしています。視覚も聴覚も奪われてデバイスを持ち歩かなければならない動画コンテンツとは違って、ながら聴きができるのが音声コンテンツの一番の武器ですね。これからまたラジオ業界が盛り上がるのではなでしょうか。と思っていたたら、とっくの昔にNewsPicksの「THE UPDATE」で取り上げられていました。ラジオ配信にはずっと興味があるので、いずれはやってみようかな。どうも、インクです。

 

運動会や音楽会は教師の指導力発表会みたいなところがある

  先生の多くは「他の先生に認められたい」という思いを強く持っています。やはり、同業者に認められると嬉しいのでしょうね。落ち着いているクラスの担任に対して「〇〇先生マジック」だの「〇〇先生の魔法にかかっている」だのとよく言います。お互いに認め合って高め合うことは何よりなのですが、「認められたい」という気持ちが強すぎて、目的を見失っているケースが多々あります。

 それが顕著に表れるのは、運動会や音楽会などの行事です。ツイートにもある通り、運動会や音楽会は教師の指導力発表会みたいなところがあります。子どもたちがぴしっとそろった演技をすると「ここまで仕上げた先生の指導がすごい」と言われるのです。一体なんのためにやっているのやらという感じですね。

 日曜日に投稿した記事に書いた「体育すわり」なんてまさにそうです。子どもたちがいい姿勢で話を聞いていると、「先生の指導が行き届いている」と評価されるのです。実際にどれだけ話を理解しているのかはまったく関係がありません。見栄えがよければそれでいいのです。

 そんなことを書いていると、そもそも「指導」ってなんなのだろうと思い始めました。国語辞典で調べてみると「ある目的に向かって教え導くこと」だそうです。はっきりと出てきましたね。「目的」という言葉が。目的が「他の先生に認めてもらう」になってはいませんか。本来の「目的」が何なのか説明できますか。どうなんですか、「指導」が得意な先生たち。結局は子どもたちを意のままにコントロールしたいだけなのではないですか。

 と、一生懸命「指導」する先生を責めるようなことを言ってしまいましたが、この問題における一番の原因は、その指導を褒める先生にあると思っています。褒める人がいるせいで、その状態が「正解」になってしまうのです。そりゃあ誰だって褒められたら嬉しいですよ。もっと褒められたいと思いますよ。こうして、褒められた先生は本来の目的を見失い、幻の「正解」を追い求めるようになってしまうのです。

 目的が見失われる一番のきっかけは「間違った評価」です。人の正義なんて「評価」ひとつでがらりと変わります。だからこそ「評価」は恐ろしいのです。先生は毎学期、成績表をつけて子どもたちに渡しますが、「どうかそんな紙切れに書かれた数字なんて気にせずに成長してくれ」といつも思います。「正当な評価をするのも教師の仕事じゃないのか!」と憤る方もいらっしゃるかもしれませんが、こればかりはやはり難しいのです。

 「あなたの主観で評価してね」と言われたら、いくらでも評価します。そして「これは正当な評価だ」と、責任をもって言えると思います。しかし、学校で行われる評価はそうではありません。評価規準が定められており、それに基づいて評価が行われるのです。誰もが平等な評価を受けられるようにするためです。しかし、当たり前ですが、評価する教師はそれぞれ違います。違う考えを持った教師が、違う視点で子どもたちを見ています。いくら規準があろうとも、主観が含まれない評価なんてありえないのです。しかし、そんな主観を完全に抹消した評価が求められます。人と人との関係を、主観なしで見ることができるはずはありません。不可能なのです。

 だからこそ「評価」の前に「信用」があるかどうかを大切にしてほしいと思います。信用のない評価なんてなんの価値もありません。むしろ、本来の目的をブレさせるだけです。その場限りの感情に惑わされていてはいけません。本当にその評価を鵜呑みにしてもいいのか。常に立ち止まって考えられるようにしたいものです。

 

 

 そろそろ2学期の成績表作成シーズンです。この時期が本当に嫌で仕方がありません。単純に業務量が増えるのもそうなのですが、やはり主観の存在をひた隠しにして成績をつけることに自分自身が納得できていないからだと思います。 子どもに嘘をついているような気がしてならないのです。もっと言いたいことはあるのに、もっと伝えたいことはあるのに、成績表の型通りに作成することしかできません。そうじゃないんだよ、君にはもっと素敵なところがあるんだよ。どうか、そこに書かれた数字に惑わされないで。こんな紙切れ破り捨てて、自分が進むべき道は自分で決めたらいいんだよ。

 

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