おはようございます。ほら、言った通りでしょう。４日間ならなんとかやっていけるのです。今日１日を乗り切れば、土曜日が待っています。待ってろよ、今すぐ行くからな。どうも、インクです。
子ども間でトラブルが起こったときに担任を責めるからおかしなことになる
子ども間でトラブルが起こったときに担任を責めるからおかしなことになる
— INK@小学校の先生 (@firesign_ink) October 4, 2019
前任校に比べると、今の学校の職員室はとても居心地がよいです。一番の大きな違いは、子ども間で起こるトラブルへの捉え方でした。今の学校は「トラブルが起こるのは当たり前だから、起こったときに備えて準備をしておこう」というスタンスです。だから、トラブルが起こっても慌てることがありません。すぐに集まって作戦を練り、役割分担をして、対応していきます。もちろんトラブルの中心になった子どもの担任も動きますが、基本は複数人で聞き取りや家庭訪問を行います。担任ひとりだけに負担がかかるということはありません。
そのようなスタンスを取ることで、職員間での情報共有がしやすくなります。トラブルが起こるのは当たり前だという共通認識があるので、いざ起こったときに担任が後ろめたさのようなものを感じることなく、すぐに誰かに相談することができます。また、担任の指導力がどうのと責められることもありません。子どもたちの学びに繋がっていれば、トラブルにだって価値があると皆が思っています。
一方で、前任校はなるべくトラブルを避けようとする空気感がありました。トラブルが起こると、「みんなで協力して解決する」というよりかは「担任が他の先生に協力を仰いで解決する」という形でした。だから、自分のクラスでトラブルが起こるとまわりの先生への申し訳なさを感じなければなりませんでした。そして、周りの先生も、別に嫌な顔をするわけではありませんが、「またあのクラスか...」というような空気感を放っていました。それが続くことで、トラブルが起こらないように起こらないようにと怯えることになるのです。また、起こったときには、他の先生に迷惑をかけてしまうからと自分ひとりで何とかしようとしてしまうのです。結果的にそのサイクルは悪い方へ悪い方へと進んでいきます。
このように、子ども間でトラブルが起こったときに担任を責めるからおかしなことになるのです。たしかに教師は大変な仕事です。子どもと保護者だけでなく、まわりの先生とも上手に付き合っていかなければなりません。体罰やモンスターペアレントなど、対子ども・対保護者の問題がとり沙汰されることが多いですが、一番大切なのは他の先生との関係性だと思っています。どれだけ子どもが大変でも、保護者が大変でも、職員室の先生方が味方でいてくれたらこの仕事はやっていけます。
もちろん、トラブルが起こったのなら担任自身は大いに反省し、自分の力不足に嘆いたらいいと思います。起こってしまったものはどうしようもありません。次に繋げられたらそれでいいではないですか。そんなときに、追い打ちをかけるように周りの先生が責め立てようものなら、その先生は立ち上がれなくなってしまいます。アドバイスのつもりかもしれませんが、その先生は体験をもって痛いほど理解しています。追い討ちをかけられているところを見ている周りの先生もどうか「〇〇先生はあなたのために厳しいことを言ってくださっているんだよ」だなんて絶対に言わないでください。
意思に反して現場から退いていく先生の多くの原因はこれだと思っています。もし、身の回りに子どもや保護者との関係について困っている先生がいれば、どうかあなただけは味方でいてあげてください。責めないであげてください。結果的にそれが子どものためにもなるのです。
教員間の関係についての話題はあまりにタイムリーですが、「チーム学校」は何も幻想ではないと思っています。そのための第一歩は「トラブルは起こって当たり前」というスタンスです。とくに初任の先生方、ここに苦しめられている人も多いと思います。どうか、今の環境がこの先もずっと続くとは思わないでください。学校が変われば、職員室が変われば、メンタルも大きく変わります。どうか、パワハラなんて聞き流して、次を見据えながら図太く生き残ってください。ただし、くれぐれも無理はしないでくださいね。「教師」以外の選択肢なんていくらでもありますから。
トラブル対応に関する２パターンの学校を紹介しましたが、分かりやすい判断基準は「他のクラスに入りやすいかどうか」です。自分のクラスが専科の授業を受けている間にふらっと他のクラスに入ることができますか？ 入っていったときに、そのクラスの担任が嫌そうな顔をしたりはしませんか？ 学級王国が成立し、クラス至上主義が蔓延すると、風通しはどんどん悪くなっていきます。そのクラスで起こることはすべて担任の責任となり、問題が起こったとしても、他のクラスの先生からしたらもはや他国のできごとになります。クラス担任制の最大の闇です。もうクラス担任制なんてやめちまおうぜ。何よりも子どもたちが可哀想だよ。
