【木】大きな声を出すのが苦手な子どもにマイクをわたしたらダメなのかな
おはようございます。久しぶりに太陽を見ました。久しぶりに青空を見ました。やっぱり人のメンタルと太陽光って連動しているのでしょう。
太陽を見ると元気になります。二酸化炭素を吸収して酸素を吐き出せるような気がしてきます。昨日はほんのちょっとだけ酸素を出すことができました。代償として腕が緑色になりましたけどね。
太陽光といえば『太陽少年ジャンゴ』を思い出します。知らないでしょう。本物の太陽光を当てなければ主人公が動けなくなってしまう『ボクらの太陽』というゲームがあったんですよ。ジャンゴはその主人公です。知らない人はまた調べてレポートにまとめておいてください。どうも、太陽少年インクです。
大きな声を出すのが苦手な子どもにマイクをわたしたらダメなのかな
大きな声を出すのが苦手な子どもにマイクをわたしたらダメなのかな
— インク@小学校の先生 (@firesign_ink) 2020年7月14日
世の中には「何にも頼らずに身ひとつで成し遂げることこそがすばらしい」という風潮があります。
ビート板をつかって泳ぐよりも、つかわずに泳いだ方が高く評価されます。電卓をつかって計算するよりも、つかわずに計算した方が高く評価されます。
ところが、とび箱のロイター板は、むしろつかった方がよいとされています。筆算で直線をひくときも定規をつかいなさいと言われます。
どれも「人の能力を補助するための道具」であるはずなのに、つかった方がよいものとつかわない方がよいものがあるのです。一体、何によって分けられているのでしょうか。
たとえば、クラスにひとりは確実に「大きな声を出すことが苦手な子ども」がいます。まわりのみんなもそのことがわかっているので一生懸命耳を傾けるのですが、それでも声が聞こえません。
ところが、そんな「小さな声」を補助するための道具はすでにこの世に存在します。そうです。マイクです。大きな声を出すことが苦手なのであれば、マイクをつかえばいいのです。
小型のピンマイクなんていくらでもあるでしょうし、それほど高価なものでもないはずです。クラスにひとつずつ置いておくくらいなら、そんなに難しいことではないでしょう。
しかし学校の先生は、そんな「大きな声を出すことが苦手な子ども」に対して「その声じゃ聞こえない!がんばって大きな声を出して!」と言うのです。
「これからも地声で話さなければならない機会なんていくらでもあるからその練習だ」と、そう言いたいのでしょう。しかし、そのせいでそもそもの「話すこと」を嫌いになられては元も子もありません。
反対に「大きな音を聞くことが苦手な子ども」が黄色いヘッドホンのようなものをつけているのを見たことはないでしょうか。
あれは「イヤーマフ」といい、まわりの音を小さくするための道具です。遮音率によっていくつかの種類があって、その子にあったものをつけています。
そう、イヤーマフはOKなのです。「大きな音が苦手なんだな」と思われておしまいです。ところが、声が小さな子どもは「がんばれ!」と言われてしまいます。「このくらいの声は出せるだろ」「出せて当たり前だろ」と、そう思われてしまうのです。
学校では、常に「個別のニーズに合わせた支援」が求められています。「ひとりひとりに合った教育を」というわけです。
しかし、本当の意味でそれを実現させるのは難しいと言わざるを得ません。担任ひとりで30人のニーズに応えることなんてできるわけがないのです。
だからこそ「がんばれ!」ということばが出てきます。「多くの人が困っているわけではない」かつ「特別支援が必要なわけではない」ことに対しては、根性論でなんとかしようとしてしまうわけです。
簡単に言えば、そんな子どもを支援するだけの余裕が、大人側にないのです。このままでは自分が「子どもに手を差し伸べない冷たい大人」になってしまいます。だから、みんなと同じようにできない子どもの「努力不足」として片付けてしまうわけです。
このように、大人を責めるような言い方をしましたが、実際のところ、この「苦手なこと」と「できないこと」と「障害」の区別ってかなり難しいものだと思っています。そもそもが地続きのおなじものですからね。線引きすること自体が無茶な話なのです。
それでもやっぱり線を引かざるを得ないのは、集団で生活しなければならないからです。「あの人は支援するのにこの人はしないのか!」と言われてしまいますからね。「あの人のはただの『苦手』だけど、この人のは『障害』だから特別な支援が必要なんだ」と、区別した上で説明をしなければ納得してもらうことができないのです。
なんだかこの大人な感じがとても嫌ですね。そんなこと子どもからすれば知ったこっちゃありませんからね。大きな声を出すことが苦手なのであればマイクをつかえばいいのです。泳ぐことが苦手なのであればビート板をつかえばいいのです。計算が苦手なのであれば電卓をつかえばいいのです。そのための道具です。本当に、何でもかんでも道具をつかわずにできるようにならなければならないんでしょうかね。
【お知らせ:7/24】
第2回「らぱいんざWORLD」の開催が決定しました。らいざさん(@rize_up_high)と らぱんさん(@lapinHSP)といっしょに、ゲストを招いておしゃべりします。第2回ゲストは、第1回ゲストである イスップさん(@bstogs1)にテレホンショッキング形式で紹介していただいた にょんさん(@EyzNo)です。ちなみに筆者はまったくといってもいいほど絡みがありません。おもしろくなることは間違いありませんが、はたしてどうなることやら。
現在、聞き手を募集していますので、興味のある方もない方も、イヌもサルもキジも、画面の前のあなたも、ぜひご参加ください。参加希望はツイッターのDMにてお受けしております。自分なんかが行ってもいいのかなという考えは捨てましょう。あなたのご参加をこころよりお待ちしております。