ツイートの3行目

小学校の先生です。ツイートは2行まで。3行目からをここに書いていきます。

【日】姿勢ってそんなに大切なことなのかな

 

 おはようございます。昨日はちゃんとした台風でしたね。台風が来ると先生は学校に行かなければなりません。学校が避難所になるからです。年度始めに順番が決められ、当番制で学校に在中します。去年の台風のときには、まるで洗車中かのような雨風の中、学校へ行きました。吹きさらしの廊下に設置された防火扉が開いたり閉まったりで大きな音を立てるわ、火災報知器が誤作動を起こすわで、それはまあ大変な一晩でした。昨日当番だった先生は大変だっただろうな。お疲れ様でした。どうも、インクです。

 

姿勢ってそんなに大切なことなのかな

  昔からずっと疑問に思っていることのひとつです。姿勢ってそんなに大切なことなのかな。自分が子どもだったときも先生から注意されましたし、大人になってからも子どもの姿勢を注意する先生にたくさん出会ってきました。

 探せばきっと「姿勢」と「学力」の関係性についての調査はたくさん出てくると思うのですが、なんだか実体験に結びついておらず、あまりピンとくることがありません。実際に、自分の周りの人たちを振り返ったときに、「たしかに学力が高い人は姿勢もよかったなあ」と思うでしょうか。むしろ学力が高い人ほど姿勢が悪いというイメージを抱く人もいるのではないでしょうか。

 さらに話を細かくすると、子どもたちを地べたに座らせるときの「体育すわり」の必要性が本当に分かりません。地域によっては「体操すわり」や「三角すわり」「お山すわり」と呼ぶこともあるこの座り方です。

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 先生たちはどうしてあれほど「体育すわり」にこだわるのでしょうか。朝会などで、少しでもこの座り方が崩れている子どもをみつけたら、さかさず列の合間を縫ってその子を注意しに行きますよね。あれって一体なんなのだろう。

 子どものころ「体育すわり」って苦痛ではありませんでしたか。長時間あのすわり方をしていると、お尻が痛くて仕方ないんですよね。なんとか角度を変えてみたり、足をクロスさせてみたりと工夫を凝らすのですが、どうがんばっても痛いものは痛いのです。だからと言って、少しでも胡座をかこうものなら、体育すわり警備隊がすぐさま飛んできて注意されてしまいます。思い出せば思い出すほど、本当にあれってなんなのだろう。お尻の痛さに耐える訓練なのか?

 それぞれの場面で大切なことは「真剣に授業にとり組むこと」であり「真剣に話を聞くこと」でしょう。そんな本来の目的との関連性もろくに考えずに姿勢を注意し続けるのは、ただ見栄えを気にしているだけのような気がしてなりません。あくまでも、順番は「真剣に授業に取り組むために姿勢を意識しよう」です。その上で、本当にその姿勢が「真剣に授業に取り組むこと」につながっているのかを問い続けなければなりません。背筋を伸ばし続けることで疲れが溜まり、気が散ってしまうことだってあります。なんのために姿勢を正すのか。なんのために体育すわりをするのか。なんでもかんでも注意する前に、もう一度考え直す必要があるのではないでしょうか。

 

 

 かく言う自分も、姿勢がよくありません。猫背だし、巻き肩だし、スマホ首です。そのせいもあってか、肩こりもひどいし、腰痛もあります。しかし、だからと言って「子どものころから姿勢を正しく過ごしておけばよかったな」とは思いません。姿勢を意識し続けるのってなかなかのストレスなんですよね。もしかするともっと歳をとったころに後悔するのかもしれませんね。そう考えると、子どもに対する「姿勢を正しなさい」という注意は、年配の方々からのアドバイスなのかもしれません。しかし、残念ながらその老婆心は若者には届きません。ましてや子どもになんてなおさらです。将来後悔しはじめたころに「ほら、言わんこっちゃない」と笑っていただけると幸いです。