ツイートの3行目

小学校の先生です。ツイートは2行まで。3行目からをここに書いていきます。

【月】今思えばあの先生職員室では浮いてたんだろうな

 

 おはようございます。毎朝6時更新をはじめて1週間が経ちました。まだまだ雀の涙ですが、間違いなくこれまでよりもアクセス数は伸びました。「先生は忙しい」というイメージが世間に浸透すればするほど、毎朝更新の価値は上がっていくと思っています。それにしては、もう少しフォロワーが増えてもいいと思うんだけどなあ。「先生辞めたい!」と嘆いているアカウントにばかりフォロワーが集まるのはなんなのだろう。読んでくださっているみなさん、もっと拡散してくれてもいいんですよ。まあ、急ぐ必要もないので気長に書いていこうと思います。どうも、インクです。

 

今思えばあの先生職員室では浮いていたんだろうな

 昨日の記事にも書きましたが、子どものころから「先生」と呼ばれる大人が嫌いでした。詳しい話は過去の記事を読んでください。  

 そんな中でも、ひとりだけ記憶に残っている先生がいます。小学5年生のときの担任だった土居先生です(皆さんご存知のあの土居先生ではありません)。今でもはっきりと覚えているのですが、5年生の始業式の日、土居先生のはじめの言葉は「今から理科室に教科書をとりに行きます」でした。自己紹介もなくいきなり?と思う人もいるかもしれませんが、教科書配布は始業式の日に行うタスクのひとつですので、別に不思議なことではありません。土居先生が他の先生と違っていたのは、その次の行動でした。

 その一言だけを残して、すっと教室から出ていったのです。クラス替えが終わったばかりでドキドキワクワクしている子どもたちの頭の中は「???」という状態です。1分経っても2分経っても土居先生は戻ってきません。次第にクラスはザワザワしはじめました。「あれ、もしかして先生ひとりで教科書をとりに行ったのかな?」「え、全員分だよね?」「5教科もあるのに?」「でも、並びましょうとも手伝ってとも言われていないよね...」という調子です。その後、ひとりが「ちょっと見てくる!」と動き始めました。ひとりが動き始めると、次々と後に続きます。結果的には、全員が理科室に向かいました。

 すると、案の定、土居先生は理科室で待っていました。そして、何事もなかったかのように、教科書を分け始めたのです。このとき、クラス全員が一同に「この先生は自分たちを試そうとしている」ということに気がつきました。自分たちで考えて、自分たちで動くことが求められていたのです。

 他にも、土居先生が他の先生と違っていたポイントはいくつかあります。たとえば、宿題には「交換日記」が出されました。内容は完全に自由です。先生にクイズを出題してもかまわないし、イラストを描いて提出してもかまいません。新聞の切り抜きを貼ってもいいし、自主勉強に使ってもいい。「今日は何も書くことが思いつきませんでした」と書いて提出しても問題ありませんでした。そして、何を書いたとしても、とても充実した返事が返ってきました。そのほとんどが、提出した文字数よりも多かったです。

 宿題つながりでいくと、漢字の宿題の出し方も独特でした。基本的には、毎日2文字ずつを1ページに練習してくるという形だったのですが、土居先生は「何ページやってきてもいいよ」と言いました。つまり、最低1日1ページだけど、余力があれば2ページやっても3ページやってもかまわないということです。当然のことながら、今日2ページやれば、明日はやらなくても済みます。極端なことを言えば、今日1日で1学期の漢字をすべてやってしまえば、1学期の間は漢字の宿題が無くなります。そりゃあ、もちろん小学生は燃えますよね。「俺もうあそこまで進んだ!」とか「もう今週のページ全部やった!」とかいう話でもちきりです。

 子どもだった自分からすれば、やる気にさせてくれる「いい先生」でしたが、先生になった今思い返してみると、きっと職員室では浮いていたのだろうなと思います。日記帳も、漢字も、すべてうちのクラスだけのルールでした。他のクラスの先生からはどう思われていたのでしょうね。保護者の中には「習っていない漢字を先にやらせるなんて」という意見もあったのではなでしょうか。

 子どもとして土居先生に出会えたことももちろんよかったのですが、大人になってから同僚として出会いたかったなと思う唯一の先生でした。

 

 

 まったく話は変わりますが、アクエリアスのCMで流れているUruの『Funny Bunny』のカバーがとてもいいですね。ここにきて、pillowsの曲が選ばれることを考えると、ようやく自分と同じ世代の人たちが、決定権をもてるような時代が来たんだなと少しうれしくなります。キミの夢が叶うのは誰かのおかげじゃないぜ。

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