ツイートの3行目

小学校の先生です。ツイートは2行まで。3行目からをここに書いていきます。

出てくる言葉は「あなたのため」

 

 今年の冬にフルマラソンに出場することになりました。これまでに1度だけ出場したことがあるのですが、長い距離を走っていると、周りで一緒に走っているおじさんがだんだん友だちに思えてきます。どうも、インクです。

 

ところがどっこい出てくる言葉は「あなたのため」だもんな

  「あなたのため」と言ってくる人には注意が必要です。「あなたのため」の判断基準は、その人の「経験」でしかありません。もちろんその「経験」に絶大な信頼を抱いているのであれば受け入れてもいいのかもしれませんが、大抵の「あなたのため」は意見を通すためにつかわれるセコ技でしかありません。

 うまくいったら「ほら、言った通りでしょ」

 うまくいかなかったら「ほら、せっかく言ってあげたのに」

    つまり、結果がどうなろうとも、言った人がマウントをとれる仕組みになっているのです。さらに言えば、「あなたのため」と聞くと、まるで優しい人かのように思えてしまいますよね。なんてタチの悪い言葉なのでしょう。

 そして、間違いなくこの言葉を多用するのは「教師」です。

「あなたのために言っているのよ!」

   気持ちは分からなくもないですが、言われた方からすれば知ったこっちゃありません。

 よー、そこの若いの。俺の言うことを聞いてくれ。俺をふくめ、誰の言うことも聞くなよ。

youtu.be

 

 

教師は窮屈です

 教師らしい服装。教師らしい髪型。教師らしい話し方。教師らしいふるまい。

どれもこれも「子どもたちの見本にならないといけないから」だそうです。

だから、人とちがうことを恐れる子どもになるんだよ。

   この男に相談したら「やめちまえ、もう」とのことでした。

youtu.be

 

 

学校はめあてや目標であふれている

  学校は「めあて」や「目標」が大好きです。なぜなら、ちゃんとやっているっぽく見せられるからです。

「さあ、紙に1学期の目標を書きましょう!」

「今週の目標は『大きな声であいさつをしよう』です!」

「今月のそうじ目標は『すみずみまできれいにしよう』です!」

 目標のインフレです。すべての目標をしっかりと意識しながら生活をしている子どもなんていません。いたら逆に心配になるくらいです。

 なにも問題点は数の多さだけではありません。大きな問題は「目的意識がないこと」と「内容があやふやなこと」のふたつです。

 ひとつ目の「目的意識がないこと」というのは言わば、なんのためにその目標を達成するのかがはっきりしていないということです。「大きな声であいさつをすればお互いに気持ちよくなるよね!」なんて言ったところで、心の底から同意して「よし、がんばろう」と思う子どもなんていません。大人だって同じはずです。

 数少ない尊敬している先生、「ぬまっち」こと沼田晶弘先生(@88834)は、著書の中で「アナザーゴール」という言い方をしていましたが、本当に大きな声であいさつをさせたいのなら、そうしたくなるような「目的」を設定することが必要になるのです。極端なことを言うならば、騒音測定器をもって校門に立っていれば、きっと子どもたちは自ら大声であいさつを始めるでしょう(大きな声であいさつをするのがいいことなのかという議論は保留するとして)。

 ふたつ目の「内容があやふやなこと」というのは、要は「達成できたのかどうかがはっきりと分からない」ということです。「すみずみまできれいにしよう」と言われたところで、「どの状態をすみずみまできれいになったと呼ぶのか」が判断できません。達成できたかどうかが分からないのなら、目標に向かって進んでも仕方がないのです。ちなみにうちのクラスでは方向性をガラリと変えて、「高速教室掃除」を実施しています。今では5分を切るようになりました。ゆっくり掃除するよりも綺麗になっているのがおもしろいところです。

 めあてや目標には、「その先にある目的がはっきりしていること」と「達成できたかがはっきりと分かること」が大切なのです。そして、不要なめあてはどんどん捨てよう。的は絞って確実に。

 

 

 長距離を走っているとよく「何が楽しくて走ってるの?」と聞かれます。きっとそんな人からしたら、走ることは「しんどいこと」でしかないのでしょう。

 走ることの一番の魅力は、「誰にも邪魔されない」というところです。どれだけゆっくり走っても速く走っても、だれにも迷惑がかかりません。すべて自分の責任です。

 「自分の好きなようにしたい」という思いが強い人には向いている競技だと思います。ぜひ走ってはみませんか。おじさんと友だち気分になれますよ。