ツイートの3行目

小学校の先生です。ツイートは2行まで。3行目からをここに書いていきます。

【水】身近な人よりもちょっと離れている人の方が相談しやすいんだろうな

 

 おはようございます。何かをする上でもっとも邪魔になるものは睡魔だと思っています。どれだけ才能があったとしても、どれだけ技術があったとしても、眠気の中で100% の力を発揮することはできません。

 それをもっとも強く感じたのは受験生のころでした。眠たい中で勉強をしても、まったく定着しないわけです。ノートに謎の黒い線が増えるだけです。

 だから、ちゃんと寝るようにしています。ここ最近は、23時に寝て5時に起きるという生活です。できるだけこのリズムを損なわないように努めています。

 かつては、睡眠時間を削ってでも頑張ろうと思っていたこともありましたが、やっぱりそれではダメなのです。人間は眠らなければなりません。

 寝不足という理由でまわりの人に迷惑をかけることだけは避けるべきです。ちゃんと寝て、ちゃんと起きて、限られた時間の中で頑張るしかないのです。早寝、早起き、朝ブログ。どうも、インクです。

 

身近な人よりもちょっと離れている人の方が相談しやすいんだろうな

 先日、写真家である幡野広志さんのお話を聞きに行ってきました。幡野さんといえば cakes での連載「幡野広志の、なんで僕に聞くんだろう。」が有名ですね。簡単なプロフィールについては、そのまま cakes のスクリーンショットを貼っておきます。

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 このプロフィールにあるように、幡野さんはいろいろな方から人生相談を受けています。いまは4000件ほどたまっているとおっしゃっていました。そんな相談への回答が、正直で痛快でおもしろいのです。

 ちょうどこのタイミングで、そんな相談への回答をまとめた新刊『他人の悩みはひとごと、自分の悩みはおおごと。』が発売されているので、気になった方はぜひ書店で手にとってみてください。

 はじめの話に戻ります。そんな幡野さんのお話を聞きに行って、サイン本を直接いただいてきたわけなのですが、その受け渡しのタイミングでひとつだけ質問をさせていただきました。「幡野さんが誰かに相談をすることはあるんですか?」という質問です。

 すると、考える間もなく「しません!」という答えが返ってきました。「過去に相談をしたことはあったけれど、あまりいいことがなかったからしなくなりました」とのことでした。その回答が筆者の予想とドンピシャで、思わず笑ってしまいました。

 べつに後出しジャンケンをしているわけでも、マウントをとろうとしているわけでもありません。もはや確認するつもりで、質問させていただきました。

 前作の『なんで僕に聞くんだろう。』を読んだときから「この人が誰かに相談することはないんだろうな」と思っていました。言い換えるなら「この人が納得のできる回答を出してくれる人なんて、なかなかいないのだろうな」と思ったのです。

なんで僕に聞くんだろう。 (幻冬舎単行本)

なんで僕に聞くんだろう。 (幻冬舎単行本)

  • 作者:幡野広志
  • 発売日: 2020/02/06
  • メディア: Kindle版
 

 これはただの憶測でしかないのですが、おそらく幡野さんは「相談に対するつまらない回答」にものすごく敏感な方なのでしょう。「ただ甘やかすだけの回答をしても仕方がない」とか「こんな回答をしても、相手は『相談してよかった』と思えない」とか。

 そんな幡野さんのハードルを超えられる回答者なんて、そうそういたものではありません。だから、おそらく誰かに相談することはないのだろうなと思っていたのです。相談への回答って、相手がすでに通ってきた道から外れることにおもしろみがありますからね。

 大抵、悩んでいる人というのは同じところをぐるぐると回っています。思いつく限りのあらゆる可能性を頭の中で試して、それでも出口がみつからないから困っています。もうこの時点で、誰の言うことでも予想できるくらいには考え尽くしているのです。

 そんな状態で誰かに相談をするということは、その相手に「外へ連れ出してくれる可能性」を見出しているということです。この人ならば、何か新しいものを見せてくれるかもしれないという期待です。

 そういう意味でも、幡野さんはこれまでの回答で、信用と実績を積んでいらっしゃるのでしょう。「この人になら言ってみよう」と思える何かがあるのです。

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 もうひとつ、幡野さんという人物に相談が集まる理由として「距離感がある」という特徴が挙げられます。多くの人にとって幡野さんは「今後も長く付き合っていく親密な間柄にある人」ではありません。

 少し離れたところにいる人だからこそ、真剣な悩みを、気軽にすることができるというわけです。これが仮に、毎日顔を合わせるような関係だったとしたら、話は大きく変わってくることでしょう。

 変に打ち明けてしまったことで、今後の関係にノイズが入ってしまうかもしれません。変にアドバイスでもされようものなら、実行せざるを得なくなってしまうかもしれませんし、その後どうなったかまでを話さなくてはならなくなるかもしれません。

 身近な人に相談をしてしまうと、いろいろと厄介なものがひっついてきてしまいます。だから、幡野さんなのです。自分の話は聞いてほしいけれど、余計なものはいらないのです。自分の気持ちはわかってほしいけれど「わかるよ」と言われたら「わかってたまるか」と思ってしまうのです。適当なことを言われたら「そんなことはとっくの昔に考えたよ」と突っぱねてしまうのです。だから、幡野さんなのです。

 たまたまですが「なんで僕に聞くんだろう。」という問いに対するいち読者の答えのような形なってしまいました。改めて今回は、おそらく n 回目であったであろう質問に丁寧に答えてくださりありがとうございました。新刊はこれから時間をかけてゆっくりと読み進めていこうと思います。他人の悩みはひとごと、自分の悩みはおおごと。だからこそ。

 

【今後の予定】

①11月25日(水)こきけんよう Vol.20

②12月4日(金)らぱいんざWORLD Vol.9

 

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