ツイートの3行目

小学校の先生です。ツイートは2行まで。3行目からをここに書いていきます。

【木】若手「担任だから自分で頑張らないと」 主任「口出ししすぎるのもなあ」

 

 おはようございます。子どもたちには「声と動きが大きくなったときに怪我や喧嘩がおこるよ」と伝えています。最初はポカンとしていましたが、少しずつこれらの関連性がわかってきたようです。

 基本的には休み時間の話になるわけですが、子どもたちの声や動きがもっとも大きくなりやすいのはいつだかわかりますか。2時間目終わりのすこし長い休み時間でしょうか。まだまだ元気な午前中でしょうか。

 正解は、給食を食べ終わった午後からの時間です。5時間目と6時間目の間の休み時間に、もっとも声や動きが大きくなります。

 「疲れているはずなのに」と思うわけですが、子どもたちの場合はむしろ反対なのでしょう。時間が経つにつれて、ストッパーが外れていくのです。

 だからこそ、午後からの時間はよくよく見ておかなければなりません。仮にここでトラブルが起こっても、解決のために残されたその日の時間はわずかですからね。1日の終わりにみんながしんどい思いをしてしまうのは絶対に避けたいところです。

 そうならないためにも学校の先生は、先手を打っていかなければなりません。まさに「先手必勝」です。先に手を打てば必ず勝つ。どうも、インクです。

 

若手「担任だから自分で頑張らないと」主任「口出ししすぎるのもなあ」

 事が起こる前にと、子どもたちに伝えていることはほかにもあります。たとえば学級開きの時点で「昔のことは絶対に掘り返すな」という話をします。

 よくいるんですよね。喧嘩になったときに、自分の言動の理由として「あのときに嫌なことを言われたから」と、昔のことを掘り返す子どもが。

 過去のことなので相手もいまいち覚えておらず、話は堂々めぐりになってしまいます。そして、最終的には「やった方は覚えていなくても、やられた方は覚えているんだよ」とか「喧嘩両成敗だよ」とか、よくわからない方向に話が進み、恒例の「ごめんねの儀式」が行われることになるのです。

 そうなってしまうくらいなら、はじめから掘り返すことを禁止して「今日あったことはその日のうちに」という意識を刷り込んでしまえばいいわけです。

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 どうして筆者が学級開きでこんな話をするようになったのかというと、初任のころにこれで失敗したからです。トラブルが起こったときに「あのとき嫌なことをしてきたから」や「むかし嫌なことを言ってきたから」を黙認してしまったせいで、ひとつのできごとが芋づる式に複雑化してしまったのです。

 だからこそ、はじめのうちに手を打つようになりました。まさに先手必勝です。新年度はじめの3日間が「黄金の3日間」だなんて言われるのはこういうことなのだと思います。この3日で、どこまで先手を打つことができるかが大切だというわけです。

 しかし当然ながら、初任者にはよくわかりません。先手を打つどころか、何が先手で何が後手なのかがわかりませんからね。「先手を打つ」という行為は「先を想定できる」ということが前提にあるのです。

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 よくある初任者へのアドバイスとして「どこまでを許してどこからを許さないのかをはじめに話しなさい」というものがありますが、そんなことはどうだっていいのになと思ってしまいます。「人を傷つけてはいけない」とか「人の邪魔をしてはいけない」とか、そんなことは子どもたちもとっくにわかっていますからね。わざわざ貴重な初日に時間を割いて言わなくてもいいのになと思ってしまいます。

 「こんなことをしたら怒るよ」はただの脅しであって、下手をすれば数ヶ月でメッキが剥がれておしまいです。なんと言えばよいのでしょう。「許す/許さない」って主体が先生なんですよね。

 もちろん最終的には「クラスの平和のため」なわけですが、どうしても「大人が子どもを管理するため」に聞こえてしまうのです。

 このように考えていくと、初任者が本当に知っておきたいことは「具体的な先手の打ち方」なのではないでしょうか。もちろん失敗からの学びも大きいわけですが、ただひたすらにしんどいですからね。

 参考になるかはわかりませんが、改めてうちのクラスにおける「先手」をまとめておこうと思います。 

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 スタートは必ず「期待」です。いきなり「あれはダメ、これはダメ」と言われても、子どもたちはいい気がしませんからね。だから、うちのクラスでは先生の自己紹介よりも先に「今日から世界一のクラスを目指すよ」という話をします。

 冗談でもなんでもなく、本気であることを伝えます。その上で「君たちはラッキーだね。今日から世界一のクラスの一員だ」と言うわけです。

 そして、この後に先ほど紹介した「昔のことを掘り返すなよ」という話と「声と動きが大きくなったときに怪我や喧嘩がおこるよ」という話をします。

 すべての話の接続語は「そのために」です。世界一のクラスになるために、昔のことを掘り返さないのです。掘り返したくなるようなことを起こさないために、休み時間をゆったりと過ごすのです。

 はじめはポカンとした顔で聞いていますが、あとはニヤニヤしながら待てばいいだけです。子どもたちが喧嘩をするのを待つのです。できることならあってほしくはないですが、小さな怪我でもいいでしょう。

 喧嘩が起こったり、誰かが怪我をしたりしたときに、怒るわけでもなく叱るわけでもなく、ひとこと「ほらね」と言うのです。このときにようやく、ポカンとした顔が真剣な顔になるわけです。そして「このままで世界一になれそう?」と問いかけます。

 この時点で方向性がそろうので、当事者たちがあとから掘り返さなくても済むように話をつけておしまいです。トラブルの解決が難しくなるのは、はじめの方向性がそろっていないからです。方向性さえそろっていれば、お互いの気持ちの確認だけで済むのです。

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 随分とえらそうに話してしまいましたね。すみません。これまでの話は、ただの一例であって、べつにこれが答えだというわけではありません。先生自身のキャラクターもありますし、学年やそのクラスの空気感も大きく影響してくることでしょう。

 ただ「先手を打つにこしたことはない」ということは間違いないと思います。この「先手の打ち方」を、より鮮明に共有することができたら、助かる人もいるだろうなと思ったわけです。何なら、いろいろな人の「先手の打ち方」を聞いて、筆者が助けてもらいたいくらいです。

 黄金の三日間を話題にあげましたが、今から打てる先手もたくさんあるはずです。後手を踏んでは自分がしんどくなるだけですからね。先手先手で動けるように心がけておきたいものです。

taishiowawa.hatenablog.com

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【今後の予定】

①8月29日(土)4コマ漫画ができるまで with こちゃさん

②9月11日(金)らぱいんざWORLD with らいざさん、らぱんさん、???

③9月25日(金)らぱいんざWORLD with らいざさん、らぱんさん、mucchuさん

 

【リスナー募集】 

①8月29日(土)4コマ漫画ができるまで

 こちゃさん(@cocha51)と4コマ漫画をつくります。画面を共有して、実際に漫画ができていくようすをZOOMにて公開します。どうなるかはわかりませんが、まあおもしろくなるでしょう。試聴希望の方は こちゃさんのツイッターのDMまでよろしくお願いします。

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