ツイートの3行目

小学校の先生です。ツイートは2行まで。3行目からをここに書いていきます。

【木】うちのクラスの漢字テストは習っていない漢字をひとつ書くと101点になる

 

 おはようございます。過去の自分は天才なんじゃないかと思うことってありますよね。昨日は家に帰ると、お鍋がつくってありました。一体だれがつくってくれたんだろうと思ったら、一昨日の自分でした。今朝なんて、コーヒーを飲もうと思ったら、マグカップがちゃんと洗ってありました。一体だれが洗ってくれたんだろうと思ったら、昨日の自分でした。過去の自分はきっと天才なんだと思います。本当にありがとう。今飲んでいるコーヒーを飲み終えたらちゃんと洗おうと思います。どうも、インクです。

 

うちのクラスの漢字テストは習っていない漢字をひとつ書くと101点になる

  必ずクラスにひとりは、テスト中に「ふぅ」という大きなひとりごとを漏らす子どもがいます。「はぁ」と言う子どももいますし、時には「終わったぁ」とそのまま言う子どももいます。他にも「鉛筆を強めに置く」というパターンもあります。「テスト用紙をバサっと裏返す」というパターンもありますね。

 要するに「オレ、もう終わったよ」というアピールです。ええ、そのとおりです。別に早く終わったからといって、何かいいことがあるわけではありません。テスト時間はまだまだたっぷりと残っているわけですから、ゆっくりと解けばいいのです。

 むしろそんなアピールをすれば、まわりの友だちから「なんだよアイツ」と思われるだけです。それでも一生懸命アピールするのです。それが子どもという生物です。ひどいときには、中学生・高校生までこの症状が続くことがあります。俗に言う厨二病というやつですね。手を組んで伸びをしてみたり、声を出しながらあくびをしてみたり。想像するだけでこちらが恥ずかしくなってしまいます。

 これらの症状が見られるのは、いわゆる「できる子」たちです。オレはできている。ワタシはできている。それをみんなに認めてほしいのです。確かに学校は、どうしても「できない子」に手をかけます。「できない子」ができるようになるために、一生懸命手を尽くします。だからこそ「できる子」たちは、できることが当たり前だと思われてしまい、そこへの価値がだんだんと認められなくなっていくのです。

 だからこそ、このような奇行にはしります。「はぁ」も「ふぅ」も「終わったぁ」も、承認欲求の表れです。「できる子」だって、できることを認めてほしいのです。「もう、終わったの!?」と言ってほしいのです。「いちいちうるさいなあ」と思われているだなんてつゆ知らず...。

 

f:id:taishiowawa:20200205231543p:plain

 

 うちのクラスの漢字テストでは、習っていない漢字をひとつ書くと101点になります。もちろんふたつ書くと102点、みっつ書くと103点になります。だから、テストによって最高点は変わります。習っていない漢字がなんこあるのかはテストによって違いますからね。多いときには、10問で107点満点になったりします。

 厳密に言えば、加点には条件があります。それは100点をとれていることです。要するに、習っている漢字はすべて書けているということが前提になります。どれだけ習っていない漢字が書けていても、習っている漢字が書けていなければ加点されることはありません。100点をとれる自信がある人だけが、100点以上に挑戦するというわけです。

 ちなみに、誤解されては困るので先に言っておきますが、このやり方は筆者のオリジナルではありません。どこかで聞いて、とてもいいやり方だなと思ったので、うちのクラスでも取り入れることにしたものです。だから、パクリだのどうのこうのだなんてつまらないことは言わないでくださいね。

 それでは話を戻します。このやり方をとると、どんないいことがあるのかと言うと、「できる子」たちが輝き始めます。当然「できる子」たちは100点以上を目指してがんばります。テスト前には辞書を広げて、漢字を調べることが習慣になります。そして何よりも、テストが返却されたときに「できる子」たちどうしで勝負をはじめるようになるのです。

 これまでは、そのベクトルが「できない子」に向いていました。だからこそ、うざったいアピールを始めたり、「できない子」をバカにするような発言が聞こえてきたりするのです。しかし、このやり方をとることで「できる子」どうしの競い合いになるので、「できない子」たちが平和にすごすことができるようになります。もちろん「できる子」はできる子で、さらなる高みを目指してがんばるようになります。やってみて改めて、とてもいい仕組みだなと思いました。

 「習っていない漢字を書いてはいけない」だなんてわけのわからない風潮もありますが、書きたいと思っているのなら書けばいいと思います。むしろ「習っていない」というバイアスがかかって知的好奇心が生まれているのなら、これほどいい学習のチャンスはありません。一度習ってしまったら、もう二度と「習っていない」という状態に戻ることはできませんからね。

 子どもたちが知りたいと思っているのなら、それはもうチャンスです。絶対に見逃してはいけません。まあ、言ってしまえば、子どもたちにそう思わせる状況をつくり出すのが先生の仕事なんですけどね。「できる子」たちを生かすためにはどうすればよいのか。知的好奇心を生むためにはどうすればよいのか。せっかく生まれた好奇心を殺してしまわないようにするためにはどうすればよいのか。先生はここを常に問い続けなければならないのではないでしょうか。

taishiowawa.hatenablog.com

 

 

 ふぅ、できたできた。毎朝2000字ほど書いていると肩も凝りますね。いやあ、大変だ大変だ。まあ、今日の記事は無事に書くことができました。ふぅ。これから朝の用意をして学校に向かわないとなあ。その時間も考えると、いつも早起きしなくちゃいけないんだよなあ。早起きをして、記事を書いて、学校に向かう。はぁ〜あ。大きなあくびも出るものです。まあ、別に大したことじゃないんですけどね。ふぅ。