おはようございます。毎日投稿を始めてかれこれ、４週目に入っています。案外こつこつ書いていくことは得意なのかもしれないと思い始めました。やっぱり好きなことを書いているからだろうな。これがもし、依頼を受けて給料をいただくライターのような仕事なら、まったく話は変わってくるのだろなと思います。やっぱりその人だからこそ書ける文章じゃないと。だから、まずは名乗ります。どうも、インクです。
ランナー同士がすれ違うときの「がんばれ！」という合図がとてもよい
ランナー同士がすれ違うときの「がんばれ！」という合図がとてもよい
— INK@小学校の先生 (@firesign_ink) October 13, 2019
来月のフルマラソンに向けて、少しずつトレーニングをしています。高校時代は陸上部に所属しており、長距離を専門に走っていました。大学生のときに一度だけフルマラソンを走ったこともあります。
こうして走っていると、必ず「どうして走るの？」と訊かれます。ひどいときには「しんどいだけなのに」「ドMなの？」と言われます。ランナーなら一度は言われたことがあるのではないでしょうか。そして、質問者の予想の相場は、「走り切った後の達成感がいいの？」です。
たしかにそれもあります。間違いではありません。走り切った後に達成感はあります。フルマラソンとなるとなおさらです。しかし、それだけのために走っているのかというと、間違いなくそうではありません。この達成感以外の部分に価値を見出しているかどうかが、ランナーになるかどうかの分かれ目だと思います。
では、いったい何のために走るのか。それは、ひとりになるためです。走っている間は、誰にも邪魔されることがありません。最終的なタイムが良くとも悪くとも、すべて自分の責任です。よかったからと言って誰かに褒められることもありませんし、悪かったからといって誰かに迷惑がかかることもありません。すべては自分の中で完結するのです。その点、読書にも似ているのかもしれません。だから、ランナーには読書家が多いのです（でまかせ）。
しかし、読書はあくまでも他者の文章を受け取る行為ですので、本当の意味で「ひとり」ではありません。そこには、書き手との対話が存在しているのです。そう考えると、ランニングはやはり「ひとり」です。言うならば、そこで行われるのは自己との対話です。もちろんそこには「孤独による寂しさ」もありますが、「誰にも邪魔されない穏やかさ」も存在しているのです。きっと、そんな穏やかさに魅了された人々が今もどこかで走っているのだと思います。
以前どこかで書いたかもしれませんが、初めてフルマラソンを走ったとき、近くで走っているおじさんがみんな友だちに見えました。きっとこの「孤独による寂しさ」と「誰にも邪魔されない穏やかさ」を、ことばなしに共有できたからだと思います（もちろんおじさんがどう思っていたかは知りませんが）。この共有は「ふたり」になるためのものではありません。あくまでも「ひとり」と「ひとり」が同じ場を共有しているという意味です。友だちが少ない私が、今でも高校時代の長距離仲間と仲がいいのはこの共有があったからなのだろうなと思います。
その共有が、ふだんのランニングでも行われるときがあります。それは、他のランナーとすれ違う瞬間です。走り慣れているランナーは、すれ違うときに手を挙げて合図を送るのです。決して「いつもすれ違う顔見知り」なわけではありません。たまたま、その時間にその道を走っていた見ず知らずのランナー同士です。このやりとりがたまらなくいいんですよね。登山でもよくある現象だと思います。ただの挨拶ではなく、まさに「一瞬の共有」です。きっとランナーや登山家はうんうんと頷いてくれていると思います。走るのも登るのもしんどいだけじゃないかと思っている人はなんのこっちゃでしょう。
このようなしんどいことに、進んで参加する人がいるということは、そこには必ず何かしらの価値があるということです。ランニング以外にも言えるでしょう。待ち時間が長いように思われる「釣り」にも、食べたらなくなってしまう「料理」にも、安く済ませようと思えば済ませられる「ファッション」にも、必ず何かしらの価値があるのです。それにも関わらず、頭から否定して、触れようともせずに、その価値を見過ごしてしまうのはあまりにももったいないとは思いませんか。
自分の中では、このブログも価値さがしのひとつです。最近よく観に行くようになった映画もそうです。まだ掴みきったとは言えませんが、価値の気配は感じています。
自分が動かなかったせいで、これまでにたくさんの価値を見逃してきたのだろうなと思います。ただ、本当に運のいいことにまだまだ若い。これから取り返すことができるはず。そう思っていました。しかし、不思議なもので、この価値さがしを始めてから、残された時間が驚くほど短いことに気がつきました。この世界には、一生をかけても、みつけ切ることができないほどのたくさんの価値が散らばっています。ドラゴンボールみたいなものです。さがしまわるには、残り時間があまりにも短すぎます。だれかドラゴンレーダーになってください。よろしくお願いします。
