ツイートの3行目

小学校の先生です。ツイートは2行まで。3行目からをここに書いていきます。

【木】敬語「も」つかえる

 

 おはようございます。昨日はこのブログがスタートして以来はじめてのコラボ企画でした。長い文章を最後まで読んでくださった皆様、そしてコラボをしてくださった らいざさん(@rize_up_high)、改めてありがとうございました。

 皆様のおかげで、とても大きな反響がありました。ツイッターでは日本のトレンドで1位になり、あのジャスティンビーバからも引用リツイートしていただきました。Yahoo!ニュースではトップを飾り、さまざまな情報番組でとりあげられました。

 これはまだまだスタートです。「おもしろい」は次へ次へと連鎖します。だれかと一緒に動くときに大切なのは「自分なんかがいいのかな」という思いを捨てることです。彼も人なり、我も人なり。こんなときだからこそ、できることがたくさんありそうです。せっかくなので一緒に悪だくみしましょう。どうも、ジャスティンインクです。

 

敬語「も」つかえる

  人類が長年抱えている問題が3つあります。ひとつは地球環境問題。ひとつは国際社会問題。そしてもうひとつは敬語タメ口問題です。どれも深刻な問題です。専門家たちは常に頭を抱えています。目標設定に無理がある。国民の協力が得られない。予算が確保できない。なかなか思うようにはいきません。

 こんな一個人のブログでとやかく言ったところで仕方がないことはわかっています。ここで明確な答えを導き出せるだなんて思っていません。ただこの記事をとおして、読んでくださるみなさんと一緒になって考えることはできるのかなと思っています。

 今日は上記の3つの中でも最大の問題だと言われている「敬語タメ口問題」について考えていきたいと思います。この問題を論じようと思ったら、どうしても専門用語が増えてしまったり、学術論文の引用が増えてしまったりと、いつもの記事よりもすこしだけ難しくなってしまうかもしれません。なんとか最後までお付き合い頂けると幸いです。よろしくお願いします。

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 先に結論を言っておきます。敬語タメ口問題が行き着く先は「TPOに合わせてつかい分けることが大切だ」です。もういちど言います。敬語タメ口問題が行き着く先は「TPOに合わせてつかい分けることだ大切だ」です。簡単でしょう。どんな道をたどって進んだとしても結局はここに行き着きます。

 そうです。どんな道をたどったとしても結局はここに行き着くからこそ問題なのです。「TPOに合わせて」は「臨機応変に」ということばに置き換えることができます。臨機応変につかい分けることが大切だ。「柔軟に」ということばにも置き換えることができますね。柔軟につかい分けることが大切だ。

 

 TPOに合わせて。臨機応変に。柔軟に。

 

 要するに「自分で判断しろよ」ということです。判断の基準となる要素はたくさんあります。相手との関係、場所、手段、時間、立場、文脈、まわりにいる人 ......。これらを考慮に入れながら、わたしたちは瞬時にことばを選んでいかなければなりません。実はかなり高度なことをしています。

 これだけの基準があって、前提に「自分で判断しろよ」があるのであれば、そりゃあ人によるバラつきが生じて当然です。しかし、それらのバラつきがすべて認められるわけではありません。ここでは敬語をつかうのがマナーでしょ。ここでは敬語をつかうのが礼儀でしょ。ここでは敬語をつかうのが常識でしょ。マナー。礼儀。常識。判断は個人に委ねられているものの、見えないルールに縛られているというわけです。

 

 ルールは共有するからこそ成立する。

 

 ルールというものはみんなで共有するからこそはじめて成立します。みんなが手をつかわないからこそサッカーというスポーツが成立し、みんなが一生懸命逃げるからこそ鬼ごっこという遊びが成立します。

 もし誰かが手でボールを持って走り出したり、もし誰かが逃げることをやめて自ら鬼にタッチされようとしたりすれば、その時点でルールは崩壊してしまいます。くり返しになりますが、全員がその内容を理解し、守ろうという意思を共有するからこそルールは成立するのです。

 ただし、それだけでは共有が難しいので、一部のルールには強制力が付加されました。それが「法律」というものです。まあおわかりのとおり、強制力が働いていたとしてもルールからはみ出る人はいくらでもいるんですけどね。

f:id:taishiowawa:20200301074752p:plain それに対して、敬語やタメ口に関するルールは非常にあやふやです。強制力もありません。強いて言うなら同調圧力といったところでしょうか。

 ある程度のルールはありますが、決められているわけではありません。厳密に言えば、決めることができません。先ほど述べたように、あらゆる要素が組み合わさってコミュニケーションは成立します。全部をリスト化して、これは敬語、これはタメ口、と分類することなんてできないのです。

 さらに厄介なのが、そのぼんやりとしたルールを、破っても許される人が一定数存在します。「なんであの人はタメ口でも許されるんだろう」という人いますよね。それはそれで、その人のひとつの生存戦略なのでしょう。コミュニケーションにおいて「生意気さ」って案外大切ですからね。

 

 敬語をつかわない人がわるいのか。

 敬語にこだわる人がわるいのか。

 

 結局ルールがあやふやな限り、ここで衝突しつづけるしかありません。仕方のないことなのですが、なんだかとても無駄な争いのような気もします。敬語もタメ口も結局はひとつの手段ですからね。メッセージを相手に伝えるという目的を果たすために、より適した方を選べばいいだけです。この記事のタイトルもそういう意味をこめてつけました。

 ただやはり、それでも敬語が無難なのでしょう。敬語をつかっておけば、まず間違いはありません。 ただやっぱり「敬語ではおもしろくないコミュニケーション」というものが必ず存在します。敬語で真面目に当たり障りのないことを言っているだけのコミュニケーションってつまらないですからね。

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 目上の人であろうとも、タメ口でしゃべった方がいい場合もあるはずです。タメ口でしゃべった方が打ち解けられる人がいたり、タメ口でしゃべった方が安心できるような場面があったりするはずなのです。

 こんなとを言うと「いやいや、礼儀がというものがあってね」と言いはじめる人が出てくるのですが、そもそも「礼儀」はことば以外のところでも表せるものです。まあ、何を言ったって結局はここに戻ってくるしかないのでしょう。

 

 TPOに合わせて。臨機応変に。柔軟に。

 

 ときどきツイッター上で「面と向かって会ったときにも同じことを言えるのか」というようなことばを目にしますが、なんだかそれは少しズレているような気がしています。

 ツイッターにはツイッターのことばがあり、対面には対面のことばがあります。テレビにはテレビのことば。ラジオにはラジオのことば。芸人さんには芸人さんのことば。先生には先生のことばがあります。

 同じ日本語でも、つかわれていることばはちがいます。相手との関係、場所、手段、時間、立場、文脈、まわりにいる人 ...... が全部ちがうわけですからね。ことばもちがって当然です。

 これらのちがう種類のことばをごちゃごちゃにしてつかってしまうからこそ「そのことばづかいはおかしいだろ」という状況が生まれてしまうのです。

 要するに、敬語かタメ口かという選択は限りなく表面的なものであり、適切なことばをつかうことができない原因はもっと奥深くにあります。相手との関係、場所、手段、時間、立場、文脈、まわりにいる人 ...... を読む力が欠如していることや、異なる種類のことばを混ぜこぜにしてしまっていることが原因です。

 だから実は「マナーだ。礼儀だ。常識だ」と言って敬語を強制することは「コミュニケーションをとる」という点において、なんの解決にもなっていません。綺麗にまとめることが目的になっているノートや、見てくれだけを気にしたファッションとおなじです。その場をやりすごすためだけにことばに塗られたメッキは簡単にはがれてしまうでしょう。

taishiowawa.hatenablog.com

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【お知らせ①】

 昨日のコラボを終えて、改めてらいざさん(@rize_up_high)とZOOMでお話しします。5月8日(金)21時スタートです。「どんな意図をもって質問したのか」とか「答えてみてどうだったか」とか「次は何をしようか」とか。コラボ記事を振り返りながら話せたらと思います。この回は聞いていただくだけになってしまいますが、今回のコラボをおもしろがってくださった方はぜひ遊びにきてください。たぶん大した話はしません。

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 【お知らせ②】

 その翌日5月9日(土)20時から「教育を存分に語れるバー」第5回を開催します。今日の記事のはじめにも書きましたが、大切なのは「自分なんかが参加してもいいのかな」という思いを捨ててしまうことです。遠くにぶん投げてしまいましょう。

 こんなことをずっと言いつづけていたら「じゃあ参加してみます」と言ってくださる方が意外とたくさんいて、とても嬉しく思っています。まだ時間はあるから大丈夫です。画面の前で迷っているあなた。ZOOMははじめてだけど大丈夫かなと思っているあなた。顔を出す必要はありません。声も出さずに聞いているだけでもかまいません。とりあえず飛び込んでみればいいじゃない。ツイッターのDMにあなたのコメントがくることを心よりお待ちしております。

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