ツイートの3行目

小学校の先生です。ツイートは2行まで。3行目からをここに書いていきます。

【日】「楽しそうに歌え」ってそんな無茶な

 

 おはようございます。早起きはしたいけど、早寝はしたくない。髪は切りたいけど、美容院には行きたくない。洗濯はしたいけど、服は干したくない。パンツは上がるけど、靴下は下がる。なんて難しい世の中なのでしょう。どうも、インクです。

 

「楽しそうに歌え」ってそんな無茶な

 音楽会に向けて合唱練習を行っているときに、よくこのセリフを耳にしました。先生が、歌っている子どもたちに対して「顔が怖いよ!」「もっと楽しそうに歌って!」「笑顔で!」と言うのです。自分が子どもの頃にも同じようなことを言われた記憶があります。

 

 そんな無茶な。

 

 過去の記事にも書きましたが、おもしろくもないのに笑うのってかなりのエネルギーをつかうのです。しかも、歌いながらともなると、いくらなんでも難易度が高すぎます。「もっと声を出して!」や「もっと口を開けて!」ならまだ分かります。だからせめて「もっと笑って!」だけは勘弁してあげてくれ…。その子はその子で一生懸命歌っているんだよ…。

 たしかに、笑顔で楽しそうに見せるのが上手な子どももいます。その子はその子で存分に褒めてあげればいいと思います。しかし、その子を褒めることで、表情が硬い子どもが「悪」になってしまうのは、まったく別の話です。その場のつくり笑いよりも、その子が歌を嫌いにならないことの方が、大切だとは思いませんか。

 このように子どもに焦点を当てて話を進めてきましたが、そもそもですよ。そもそも、そんなに笑わせたいのなら、笑いたくなるような練習を計画しろよ!という話です。早起きしたければ、早寝をするのと同じです。笑ってほしければ、笑わせる努力をしなければなりません。なんの努力もせずに、それらの過程をすっ飛ばして「笑え!」はあまりにも理不尽です。

 これまでに、音楽会の練習のときだけアフロのカツラをかぶる先生に出会ったことがあります。手にペンでメッセージを書いておき、指揮の合図を出すたびに子どもたちにそのメッセージを見せる先生もいました。音楽的なことはよく分からないので、「歌とは関係ないじゃないか!」とお怒りになる方もいらっしゃるかもしれませんが、少なからず自分はそんな先生が好きでした。笑って欲しけりゃ笑わせる努力をしなければならないのです。

 これは音楽以外でも言うことができます。子どもたちを静かにさせたいときに「静かにしなさい!」と怒鳴りつけても、「そんな無茶な」という話です。静かにさせたかったら、静かにしたくなるような場をつくる努力をしなければなりません。活発な話し合いをさせたかったら、話したくなるような場をつくる努力をしなければなりません。文章を書かせたければ、書きたくなるような場をつくる努力をしなければなりません。

 書けば書くほどすごく当たり前なことを言っているような気がするのですが、先生たちは意外とこれが苦手です。なぜなら、「子どもたちが自分の話を聞くこと」が前提として成り立つ職業だからです。だから、言うことを聞いてくれなかったら「笑いなさい!」「静かにしなさい!」と無茶な要求をしてしまうのです。冷静に考えてみれば、相手が自分の話を聞いてくれるってすごくありがたいことなんですよ。しかも30人もの人がです。それも毎日ですよ。学校以外の場所で、30人の人間を毎日集めて、自分の話を聞いてもらうだなんてまあ難しい話です。

 それにも関わらず、「学校」という場所では、いとも簡単にその環境が整います。だから、先生はそれを当たり前だと思い込み、調子に乗ってしまうのです。何度も言いますが、自分の話を聞いてくれるって本当にありがたいことなんですよ。人を集めるって大変なことなんですよ。それを忘れてしまうから、教師は世間知らずだなんて言われるんですよ。子どもたちにしてほしいことがある。じゃあ、あなたは何をしますか?

 

 

 今日の記事は、音楽会の話題に見せかけた、読者の皆様へのお礼状です。自分の書いた文章を誰かが読んでくれるってすごくありがたいことなんですよ。いつも本当にありがとうございます。偏った意見を好き勝手に書き続けていきますので、これからもどうぞご贔屓に。

 ご贔屓ついでに、関連のある過去の記事も読んでいかれてはどうでしょうか。ぜひ、そうなさってください。ん、忙しい?ちょっとくらいいいじゃないですか。今ならお安くしておきますよ。何事も行動あるのみです。お、読んでいかれますか!それではこちらへどうぞ。お足元暗くなっていますのでお気をつけくださいね…

 

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