おはようございます。耳からコードが伸びている人がぐんと減ったような気がします。はじめは「耳にうどんがついている」だなんてバカにされていましたが、今ではみんなが耳にうどんをつけながら歩くようになりました。他にも、ひとりで喋りながら歩いている人に対する違和感も随分となくなったように思います。はじめはあんなに奇異な目で見られていたのにね。数年後には一体何をしながら歩いているのでしょう。もしかすると歩いてすらいないのかもしれません。どうも、インクです。
きびだんごを作ったおばあさんが一番すごいんじゃないか
きびだんごを作ったおばあさんが一番すごいんじゃないか
— INK@小学校の先生 (@firesign_ink) 2020年1月26日
桃太郎さん桃太郎さん
お腰につけたきびだんご
ひとつわたしにくださいな
やりましょうやりましょう
これから鬼の征伐に
ついて行くならやりましょう
行きましょう行きましょう
あなたについてどこまでも
家来になって行きましょう
考えられる可能性は3つです。
1.きびだんごにすごい力がある
2.犬・猿・雉 がバカ
3.鬼がなめられている
順番に考えていきましょう。
1.きびだんごにすごい力がある
鬼。めちゃくちゃ怖いです。怖すぎてちびります。だってパンチパーマですよ。怖すぎでしょ。しかも、パンツ一丁です。どんだけ怖がらせりゃ気がすむんだというかんじです。でもね、鬼の本当の怖さはこんなものではありません。心臓が弱い方は、ここでそっとページを閉じていただいた方がいいかもしれません。いいですか。続きを読むのは覚悟ができた方だけにしてください。
鬼のパンツはいいパンツ
つよいぞつよいぞ
虎の毛皮でできている
つよいぞつよいぞ
5年はいても破れない
つよいぞつよいぞ
10年はいても破れない
つよいぞつよいぞ
はこうはこう鬼のパンツ
はこうはこう鬼のパンツ
あなたもあなたもあなたもあなたも
みんなではこう鬼のパンツ
どうですか。めちゃくちゃ怖くないですか。「鬼のパンツはいパンツつよいぞつよいぞ」ですよ。もう恐怖で震え上がってしまいます。そんなところに、だめ押しの「みんなではこう鬼のパンツ」です。もうオススメされちゃっていますからね。怖すぎです。怖すぎて夜も眠れません。
そんなおそろしい鬼を退治するためにひとりの青年が旅にでかけるわけですが、いくらおばあさんがつくってくれたといえども、「きびだんご」をもって旅に出るでしょうか。「おにぎり」とか「おべんとう」とか、もっと旅に適したものはありそうなものですよね。「きびだんご」って。「え?きびだんご?おにぎりじゃなくて?」と思わなかったのでしょうか。思ったけどおばあさんの顔があまりにも真剣すぎて言い出せなかったのでしょうか。
しかし、ストーリーを知っている我々からすれば『桃太郎』は「きびだんご」でなければなりません。このだんごのおかげで、犬・猿・雉が仲間になるわけですからね。でも、冷静に考えてみれば「だんごで仲間になる」ってなんだよという話です。
しかも「お腰につけたきびだんごひとつわたしにくださいな」と自ら懇願していますからね。それに対してなんの躊躇いもなく「これから鬼の征伐について行くならやりましょう」と答えているわけですから、この「きびだんご」にはよほどのパワーがあるのでしょう。命にかえても食べだいだんご。一体どんなだんごなんだろう。そして、そんなだんごをつくったおばあさんって一体何者なんだろう。
2.犬・猿・雉 がバカ
先ほどは「きびだんごに力がある」という仮説を立てましたが、逆に「犬・猿・雉 がバカ」という可能性も十分に考えられます。だんごひとつで、ほいほいと命をかけた旅についていくバカな動物たち。目の前のきびだんごによだれをダラダラと垂らす動物たちの姿が思い浮かびます。
もしくは「桃太郎の勧誘トークがうますぎた」という可能性も考えられます。詐欺師ばりのトークで動物たちを言いくるめ、ついには仲間として迎え入れたというわけです。
こんなことがあってほしくないとは思いますが「犬・猿・雉は弱みを握られていた」という可能性も考えられます。「旅についてこなければ、お前の娘がどうなっても知らないぞ」と脅されていたのです。でも、事実だったとしたらこの理由が一番納得できるかもしれません。見ず知らずの男について行き、命をかけて戦っているわけですからね。もしかすると大切な娘を守るための戦いだったのかもしれません。
そう考えると、桃太郎ってとんでもない悪党ですね。まわりの目もちゃんと気にして、何もなかったらおかしいからと「きびだんご」を「理由」として配っているのです。きっと「旅についてくる理由はきびだんごだ。お前らの方から『くださいな』と言いにこい。さもなくば、娘がどうなっても知らないぞ」といったところでしょうか。最悪ですね、桃太郎。なんだかだんだん悪いやつに見えてきました。本当に征伐するべきなのはコイツかもしれません。
3.鬼がなめられている
先ほどは「犬・猿・雉がバカ」もしくは「犬・猿・雉が脅されている」という仮説を立てましたが、逆に「鬼がなめられている」という可能性も考えられます。「鬼退治?楽勝じゃん。そんな簡単なことをするだけできびだんごがもらえるのなら、そりゃあ誰だってやりますよ」というわけです。実際のところ、それでついていき、バタバタと薙ぎ倒していますからね。
そう考えると、鬼ってめちゃくちゃ不憫ですね。誰にも迷惑がかからないように孤島でひっそりと暮らしていたのに。きびだんごの価値よりも低く見られた上に、住処を荒らされて金品を奪われるわけですからね。たまったもんじゃありません。そりゃあ泣くのも無理ありません。昔はあんなに怖がられていたのになあ。いつの間にこんなになめられるようになってしまったのでしょうか。頑張れよ、鬼。
きっと鬼は鬼で、この屈辱を忘れることはないのでしょう。屈辱は恨みへと変わり、復讐心をかりたてます。これがもし「きびだんご」ではなく「現金1000万円」だったとしたら、鬼の尊厳も保たれたのかもしれません。「現金1000万円」の価値が鬼退治にはあったということですからね。それにしても「きびだんご」って。もはや鬼がかわいそうです。
そもそも、「桃から生まれる」ってヤバいですね。どうやら実際のところは、おじいさんとおばあさんがいい歳なのに子どもをつくってしまって、恥ずかしさのあまり「桃から生まれた」という設定にしたらしいですけどね。
また、桃太郎のモデルは『イザナギとイザナミの伝説』に登場するスサノオだという説もあります。スサノオの父であるイザナギは、桃の力によって黄泉の国から帰ってきますからね。桃には何かしらの因縁があるのでしょう。だとしたら、せめて桃でいいじゃないかという話ですよね。なんだよきびだんごって。