ツイートの3行目

小学校の先生です。ツイートは2行まで。3行目からをここに書いていきます。

【火】熱量に違いが生まれるのは打ち合わせ不足でしかない

 

 おはようございます。最近よくUber Eatsをつかっているのですが、配達員の方の現在地が分かるのがとてもおもしろいですね。このシステムによって、「今どのあたりにいるのだろう?」「あと何分くらいで到着するのだろう?」というストレスがまったくと言ってもいいほどなくなります。仮に道を間違えて遅れてしまったとしても「あ!通り過ぎちゃった!こっちだよ!こっち!」と応援したくなってしまいます。ストレスの根源をシステムの構築で上手に転換することさえできれば、それはむしろ強みにさえなり得るのです。配達員さん、いつもありがとう。どうも、インクです。

f:id:taishiowawa:20191104212219j:plain

※ 画像はイメージです。筆者の所在地とはなんの関係もありません。

 

熱量に違いが生まれるのは打ち合わせ不足でしかない

 大勢の人間が協力して何かをしようとするときに起こり得るトラブルの原因は、大きく以下の2つに分けられます。ひとつ目は「アイツだけサボりやがって」、ふたつ目は「アイツだけ何頑張っちゃってんの」です。前者はひとりだけ熱量が低いパターン、後者はひとりだけ熱量が高いパターンです。もちろん場合によっては、それがひとりだけではない可能性も十分にありますが、基本的にはこの「熱量の違い」がトラブルを生みます。

 サボっている人の言い分は、「元からそんなにやる気じゃねえよ」です。お前らが勝手にやってるだけで、その熱量を一方的に押し付けてくるなよ!と思っています。頑張っている人の言い分は、「せっかくなんだから最高のものにしようよ!」です。最高の思い出にするために、みんなで熱量をもって取り組もうよ!と思っています。両極端に位置をとる両者が分かち合うことはまずありません。

 では、なぜこうなってしまうのでしょう。それはただの打ち合わせ不足です。両者が食い違う原因は、意見を擦り合わせるタイミングが遅すぎることにあると思います。よくある上記のような状況は、まさにプロジェクトが実行されている最中に起こります。ものごとが始まってから、やっとこさ熱量の違いに気がつくのです。そりゃあトラブルにもなりますよ。サボっている人に対しては「やる気がないのなら最初から言っておけよ!」となりますし、変に頑張っている人に対しては「みんながやる気のない状態で取り組んでいることに気が付けよ!」となります。そうなって当然でしょう。

 本来ならこれらの擦り合わせは、プロジェクトが始まる前に行われるべきです。全員で目的・目標を確認した上で、熱量を共有して、取り組み始めるべきなのです。熟練した集団は、この時間をほとんど必要としません。日頃から熱量の共有ができているからです。しかし、このような集団は稀なケースです。毎日のように練習を重ねている劇団や楽団レベルでないと、なかなか難しいでしょう。人が皆違うように、ものごとへの熱量が違うのも当然なのです。

 それにも関わらず、せっかちな人が多いのか、この擦り合わせをすっとばしてすぐに本題に入ろうとしてしまいます。たとえ、はじめは上手くいっているように見えたとしても、時間が経つにつれてボロが出始めます。そして、ケンカが始まるのです。「真面目にやれよ!」「私ばかりがやってるじゃない!」「アイツ調子に乗ってるよな」「何でアイツの言うことを聞かないといけないんだよ」などなど…。トラブル現場を目撃したければ、ぜひ学校にお越しください。こんなケンカが毎日のように見られます。

  そうなってしまうのは、やはり「相手も自分と同じ熱量をもっている」と思い込んでしまうからなのでしょう。それを前提としてしまうから、自分の予想と違ったときにストレスを感じてしまうのです。 熱量なんて、十分な擦り合わせもなしに合うはずがありません。まずはこの前提を自覚しましょう。その上で擦り合わせができる場を用意しましょう。まずはここからです。熱量が違うまま始めてしまうと上手くいきません。さもないと、また同じことを繰り返すことになりますよ。

 

 

 これらの「熱量の違い」が顕著になるのは、やはり学校生活です。特に思春期にあたる中学や高校でよく見られるのではないでしょうか。アニメや漫画に描かれる「青春」のイメージに煽られたり、ダルいのがカッコいいという妙な勘違いを発症したりと、分かりやすく熱量にバラつきが生まれる年代です。

 だからこそ、ひとりの小学校の先生として、中学や高校の先生は本当にすごいなと思います。「始める前に擦り合わせるべきだ」なんてことをえらそうに書きましたが、中高生はそもそもの「擦り合わせ」がとても難しいのだろうなと思います。きっと、この擦り合わせにこだわりすぎることで、逆に熱量の差が大きくなるということも起こり得るのでしょう。ある程度のバラつきには目を瞑ってそっとしておくということも、先生には必要なスキルなのかもしれませんね。