ツイートの3行目

小学校の先生です。ツイートは2行まで。3行目からをここに書いていきます。

【月】つまらない文章を読んで「つまんねえな」と思う経験を積み重ねよ

 

 おはようございます。何かが思い通りにいかなかったときは、きっとそうなるべきだったんだと考えるようにしています。寝坊するのは、今寝坊するべきだったから。モノがなくなるのは、今なくなるべきだったから。

 きっと今朝は、階段を踏み外すべきだったのでしょう。この痛みは巡り巡ってどこかで自分のためになるはずです。生きていれば、階段を踏み外すべき朝もある。どうも、インクです。

 

つまらない文章を読んで「つまんねえな」と思う経験を積み重ねよ

 「人のいいところはどんどん真似しましょう 」ということばをよく耳にしますが、そんなに簡単なことではありません。人のいいところというものは、大抵の場合において、その人だからこそ成立しています。その人の性格・人望・日頃の行い、すべてが揃うからこそ「いいところ」が形成されているのです。

 表面的な部分で真似ることはできるのかもしれません。しかし、そのほとんどは「自分のもの」ではないため、うまく活用することはできないでしょう。どれだけ技のつかい方を覚えようとも、その技をつかいこなすだけの身体づくりができていなければ、へなちょこパンチしか出せないのです。

 基礎的な身体づくりために必要なのは、人のいいところを真似ることではありません。人のよくないところを真似ないことです。前述したとおり、人のいいところを真似るのはとんでもなく難しいことです。どれだけ頑張ってもなかなか「自分のもの」にはできません。一方で、人のよくないところを真似しないことは簡単です。同じことをやらないように気をつければいいだけです。

 気をつけると言いましたが、なんなら気をつける必要さえないのかもしれません。人のよくないところをみつけたときに「あんな風にはなりたくない!」と強く思えば、自ずと同じ動きを避けるようになるでしょう。その「あんな風にはなりたくない!」がいくつもいくつも積み重なれば、残ったところに自分の姿があるはずです。

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 たとえば、「校長先生の話」はとてもいい材料になります。おそらくほとんどの人が、人生の中で何人かの校長先生と出会ってきたことでしょう。そしてきっと、その校長先生たちは、ひとりずつ違った特徴をもっていたはずです。とにかく話が長い人。偉人の名言を引用する人。中庭の植物の変化を紹介する人。今朝のニュースから時事ネタを取り上げる人。いろんな校長先生の話を聞いてきたと思います。

 そこで大切なのが「つまんねえな」という思いです。もちろんタメになる話だったのなら「タメになったなあ」でかまいませんし、お話が上手な校長先生なのであれば話し方を研究してもかまいません。ただ、相場として、校長先生の話はおもしろくありません。そんなおもしろくない話を聞くときに、ただボーっと突っ立っているのではなく、「つまんねえな。やっぱり話が長すぎると聞いている方は飽きるよな。自分が話す時にはなるべく短く話せるようにしよう」ということを考えることが大切なのです。ふだんの会話だって、文章だって同じです。

 

 つまんねえな。どうしてつまらないんだろう。

 

  声が小さすぎるとつまらない。同じ話を何度もするとつまらない。言っている本人が笑ってしまうとつまらない。リアクションがわざとらしいとつまらない。

 1文が長いとつまらない。引用が多すぎるとつまらない。ウケを狙いすぎるとつまらない。書き手のドヤ顏が見えるとつまらない。

 本題までが長いとつまらない。原稿をそのまま読む発表はつまらない。笑えるポイントがひとつもないとつまらない。誰にでも言える内容はつまらない。

 

 つまらない、つまらない、つまらない

 

 ネガティブに聞こえるこのことばですが、「つまらない」があるからこそ「おもしろい」があります。「つまらない」と「おもしろい」はまさに裏と表の関係です。「つまらない」を知らずして「おもしろい」を知ることはできません。

 はじめの話に戻ります。人のいいところを真似るという「表」の研究だけでは、いつまで経っても「おもしろい」には辿りつきません。ノックすれば扉を開けてくれるほど、「表の扉」は簡単なものではないのです。

 一方で「裏の扉」は初めから開いています。中に入れば、「つまらない」原因が何なのかが割と簡単に分かります。そして、そこにある「つまらないボール」を7つ集めると、おもしろい龍が出てきて、少しだけおもしろくなることができます。ちなみに筆者はまだ4つ目なので、こんなに中途半端な例えしかできないというわけです。

 これが「人のよくないところを真似ない」ということです。きっと誰にでも簡単にできると思います。ポイントは「あんな風にはなりたくない!」と思うくらい強く「つまらない」を感じることです。その上で「つまらない」を分析し、ボールを集めます。最後には、自分にしかない「おもしろい」の形が残っているはずです。

 

 

 表裏一体にあるものの片一方を否定してしまうということはよくあります。しかし、表があるから裏があり、裏があるから表があるのです。どれだけ否定しようとも、裏がなくなれば表もなくなってしまいます。

 だから、まずは裏の存在も認めましょう。その上で、裏から攻めるというやり方は、アプローチとして非常に有効だと思います。今日の記事を「つまらない」と感じた方はラッキーです。さっそく試してみてください。