ツイートの3行目

小学校の先生です。ツイートは2行まで。3行目からをここに書いていきます。

【月】余剰時間をとりにいきたい

 

 おはようございます。本を読むスピードはわりとゆっくりです。文学的文章と説明的文章を合わせて、3冊くらいを同時並行して読むので、なんだかんだで1ヶ月近く読み続けているような本もあります。

 そんな中でも、昨日は珍しく夕方から2冊ほど、一気に読んでしまいました。「探求学舎」で有名な宝槻泰伸さんの本です。昨年、情熱大陸に出演されていたので、そこで知ったという方も多いかもしれません。

 筆者自身も「探求学舎」の存在は前々から知っていたのですが、ひょんなきっかけで今さらながら本を手に取ることになりました。読み終わったときに、まず思ったのは「やりたいと思っていたことを、すでにやっている人がいる」ということでした。

 それが何だか、嬉しくもあり悔しくもあり。教育関連の本を読んで、久しぶりによかったと思えた気がします。ほかにも著書は何冊かあるようなので、また読んでみようと思います。どうも、インクです。

 

余剰時間をとりにいきたい

 学校現場で過ごすうちに、もっともよろしくないと思うようになったのは「子どもたちを長く拘束するにも関わらず、評価してやれるポイントが限りなく少ない」というところでした。「それぞれによいところがある」だなんて言いながら、結局は「勉強」か「運動」しか、評価してやることができないのです。

 これがもし「学校では勉強と運動だけを評価します」と公言しているのなら、何も問題はないでしょう。ほかの部分は、学校以外が担っていけばよいわけですからね。棲み分けがはっきりします。

 しかし、現実はそういうわけにもいきません。学校は「勉強」と「運動」以外の部分も、カバーしようとしています。ついには「学びに向かう力・人間性等」だなんてことを言いはじめた次第です。

 とてもじゃないけど、学校はこれ以上のものを担うことはできません。ただでさえ、やれ外国語だの、やれプログラミング教育だの、やれキャリアパスポートだのと、やることはてんこ盛りにされているのです。

 いま以上に、評価するポイントを増やされてはたまったものではありません。だからこそ学校は、潔く諦めて、手放すものは手放していかなければならないと思うのです。もっと小さくなるしかありません。

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 ただし、仮に手放すことができたとしても、次の問題が待ち受けています。それは「学校が手放したものを、地域が受け取め切れない」という問題です。

 そりゃそうです。これまでは、学校がやってくれていたのです。学校が「あれもこれもやりますよ」と言ってきたせいで、地域は「どうせ学校がやってくれるんでしょ」と思ってしまっているのです。

 実はこれ、なかなかにピンチです。なぜなら、学校が本当に小さくなる可能性が、目の前に迫ってきているからです。そうです。GIGA スクール構想です。

 AI 学習が本格的に導入されて、学習効率化が進めば、学校は本当に小さくなれるかもしれません。そんな未来がもう目の前に迫ってきているのです。

 ここでキーワードになるのが「余剰時間」です。学習が効率化されれば、必然的にその分の時間が浮いてきます。この「余剰時間」のつかい方こそが、これからの教育を決めるような気がしているのです。

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 ここからは完全に個人的な意見ですが、この「余剰時間」を、学校に委ねてはいけないと思うのです。学校がこの時間を囲んでしまうと、結局はおなじことをくり返す羽目になってしまいます。

 少なくともはじめのうちは、地域が担うか、もしくは地域が学校に参入していかなければならないと思うわけです。これはべつに、学校に「余剰時間」を任せられる実力がないと言っているわけではありません。

 実力云々に関係なく、単純に学校がこれ以上にパイを取ってはいけないような気がするのです。せっかくの小さくなるチャンスです。勇気をもって、手放すものは手放していかなければなりません。

 そんなことを考えながら小学校の先生をしている筆者は、ふたつの選択に迫らることになります。ひとつは、このまま教員をつづけて、内部から手放していく活動を促進すること。そしてもうひとつは、外部からこの「余剰時間」をとりにいくことです。

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 おわかりのとおり、筆者はふたつ目の道に進むことに決めました。もしかすると学校は手放すことを拒むかもしれませんが、それと同時に、必然的に生じる「余剰時間」の扱い方に困るだろうとも思うのです。

 このタイミングこそが、学校から「余剰時間」を奪い取る数少ないチャンスです。「奪い取る」と言うと聞こえは悪いかもしれませんが、それが学校のためにもなるはずだと信じています。

 この計画を実行させようと思ったら、急ピッチで、受け取り手である「地域」の準備を整えなければなりません。「学校がやってくれるんでしょ」だなんてことを言っている場合ではないのです。

 ここ数年の勝負だと思っています。今は名もない小学校教員のひとりごとですが、この計画が実現されるころには大きなムーブメントになっているはずです。

 絶対にひとりではできません。学校の内の力も、外の力も必要になってきます。自分の身の置き場も含めて何とか場を整えようと思うので、いざというときは協力してくださいね。よろしくお願いします。

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【今後の予定】

①12月9日(水)こきけんよう Vol.22

 

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