ツイートの3行目

小学校の先生です。ツイートは2行まで。3行目からをここに書いていきます。

【土】残念ながら職員室に遅くまで残っているだけで得られる信用があるのは事実

 

 おはようございます。レジ袋が有料化されて間もないですが、すでに怒っている人を何人か見かけました。店員さんに対して機嫌をわるくしているのです。

 一方、店員さんは慣れたもので「すみません。7月から有料になったんです」と笑顔で対応しています。当然このやりとりからは何も生まれません。

 ひとりのおじさんが怒ったからといってレジ袋が無料になるわけでも、店員さんが謝ったからといってプラスチック問題が解決するわけでもありません。

 それにも関わらず、おじさんは一生懸命怒り、店員さんは一生懸命謝ります。人と人とが対面して、波を起こして離れていく。決して何も生みはしませんが、これこそが生活なのでしょう。

 波がなければ生活は成立しませんからね。一生懸命波をつくっているのです。どうせならもっとよい波をつくりたいものですね。どうも、インクです。

 

残念ながら職員室に遅くまで残っているだけで得られる信用があるのは事実

 「働き方改革に伴い今日は19時に閉めますよ」というようなことばを職員室ではよく耳にします。ちなみに業務終了の定時は17時です。

 この時点ですでに2時間の残業が前提です。しかも改革をした上での19時です。改革しなけりゃ一体何時なんだという話です。そもそも改革しているのかどうかもよくわかりません。

 管理職も、2時間程度の残業は仕方がないと思っています。実際に仕方がないくらいと思ってしまうくらいの仕事があります。それにも関わらず、残業代が出るわけでもありません。

 だからこそ、はじめから「17時までに仕事を終わらせよう」とは思っていません。「どうせ19時までは仕事ができる」と思っているからこそ、先生の仕事は一向に減らないのです。制限時間による精選がないわけですからね。どうでもいいことにも思う存分時間をかけられるというわけです。 

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 今日はべつに仕事の多さや残業代がでないことに文句が言いたいわけではありません。そこから生じる「勤務時間内における業務への影響」についてもの申したいのです。

 定時後の職員室はわりと賑やかです。お菓子を食べたりコーヒーを飲んだり。多すぎる仕事に対して文句を言い合ったり、くだらない話で笑い合ったり。

 部活の帰り道みたいなものです。おなじ苦しみを乗り越えたものどうしだからこそ味わえる空気感がそこにはあります。なんでもないジュースがめちゃくちゃおいしかったりするんですよね。あの時間って。

 言ってしまえば、この時間に先生どうしの親密度は高まります。ふだんは子どもたちの前で気を張っていますからね。そことのギャップも大きい分、なおさら砕けた付き合いができるというわけです。

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 問題はここからです。そんな定時後の和気あいあいタイムが、業務そのものに影響を及ぼすようになるのです。たとえば、単純な仲のよさ。 

 先ほども書いた通りです。開放感から生じる妙なテンションを共有しているわけですから、そりゃあ仲もよくなります。当然、その仲のよさは「話しやすさ」に繋がります。プライベートな話はもちろんのこと、仕事の話もグンとしやすくなります。

 「なんだ、いいことだらけじゃないか」と思ったかもしれませんが、何度も言うとおり、これは定時後に行われていることです。この和気あいあいタイムには、いない人もいるわけです。そりゃあ、定時を過ぎていますからね。いない人がいて当然です。

 そんな人が損をしてしまいます。たとえば、和気あいあいタイムの勢いで仕事の話が進むことがあります。当然、そこにいない人たちはそのことを知りません。そんなときに和気あいあいチームはこう思うわけです。「先に帰った人に伝えるという手間が増えた」と。とんでもない話ですよね。

 しつこいですが、これは勤務時間外のできごとです。「あの人がいないから困る」という現象は、まったくもって意味がわかりません。いないことが当たり前なんだもの。帰る時間に帰っているだけですから、何にもおかしなことなんてありません。むしろ、そんな時間までのこっている方がおかしいのです。

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 それでも残念ながら、職員室に遅くまで残っているだけで得られる信用があるのは事実です。ちょっとだけがんばって職員室にのこるだけで、今後の働きやすさや、職員室での居心地のよさが大きく変わってきます。もともとの地位が低い若手なんてなおさらです。

 遅くまでのこっているだけで「あの人はがんばっている」とか「砕けた話をすることができる」などの信用を得ることができてしまうのです。そんな時間にちょっとお菓子を配ってみたり、ちょっと校舎の施錠を手伝ってみたりするだけで、大きなリターンがあるわけです。残業なんてしたいはずがありません。しかし、想像以上に大きな見返りがあります。未来の自分のためを思ったら、こんなにいい手をつかわないわけにはいかないのです。

 残業をしたら得をして、定時に帰れば損をする。これ、かなりよろしくない状況です。相当よろしくないでしょう。本当にこの職業の中でももっとも悪しき風習だと思います。そして、そんな悪しき風習を断ち切ろうと、がんばって定時に帰っている人たちが損をしてしまうわけですから、もうとことん最悪です。

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 また、今の管理職は言わば「遅くまでのこるからこそ得られる信用を享受してきた世代」です。自分たちはがんばってきたという変なプライドをもっています。そりゃあ形の上では働き方改革だと言われているからいろいろと言いますが、根っこから変えようだなんて思ってはいないのです。むしろ、はやく帰ってしまうことを寂しいとすら感じているかもしれません。

 これは文句でもなんでもありません。ただの事実です。和気あいあいタイムを楽しんでいる一方で、苦しんでいる人たちがいます。ルールから逸脱したところで得をする人がいて、ルールを守ってるのに損をする人がいます。

 「遅くまでのこるくらい自由にさせろ」と思っているそこのベテランたちよ。実は、残業ってのは自分ひとりだけの問題じゃないんだぜ。あんたたちがはやく帰るだけで保たれる平和があるんだぜ。「帰ってもどうせおなじ」と思っているのかもしれないが、たとえ同じ仕事をするにしても、職員室にいないという事実があるだけで変わるものもあるんだぜ。

 と、こんな呼びかけをしたところで、どうせ何も変わりません。結局はシステムごとひっくり返すしかないのでしょう。人の感情や意識に訴えかけても仕方がありませんからね。お金がほしいとかそういう話ではなく、単純に残業代が出るようになれば、はやく帰ることが促されるようになり、仕事の精選をするようになるのではないかと思っています。

 まあ、たとえ残業代が出るようになったとしても、はじめのうちは同じ仕事をこなそうとして「もちかえり仕事が増えただけ」と文句をたれるんでしょうけどね。残念ながら、残業という悪しき風習が定着してしまったこの業界では「仕事を減らす」という考え方ができなくなってしまっているのです。ここを変えるためには、きっと強行手段をとるしかないのでしょう。

taishiowawa.hatenablog.com

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