ツイートの3行目

小学校の先生です。ツイートは2行まで。3行目からをここに書いていきます。

【月】はじめからこの仕事を一生やるつもりなんてない

 

 おはようございます。この休日は久しぶりに部屋のテレビをつけて「ザ・ドリームマッチ2020」という番組を観ました。昔からずっと好きで毎回観ていたのですが、今回はなんと6年ぶりの開催だったそうです。どうして6年も間が空いたのでしょう。スケジュールを確保するのが難しかったのでしょうか。

 まあ、それはさておき、やはりおもしろい企画だなと思いました。名の知れた芸人さんたちが集まるので、それぞれの「らしさ」をどう生かすかが、攻めの姿勢として表れていれとてもよかったです。別番組にはなりますが「ENGEIグランドスラム」でオリエンタルラジオが「PERFECT HUMAN」を披露したあたりから「漫才とはこうあるべきだ」「コントとはこうあるべきだ」という壁が壊され始めているようで、とてもよい流れだなと思っています。

 「Mー1」のぺこぱだって、今回の「ザ・ドリームマッチ」の岩井勇気×渡辺直美、若林正恭×くっきーだって、まさに型破りから発生するおもしろさです。先人が積み上げてきた「型」に対してリスペクトをもちながらも、どんどんとその型を崩す笑いが生まれてきています。教育業界もいい加減、型破りをおもしろがらないと時代においていかれてしまいますよ。どうも、インクです。

 

はじめからこの仕事を一生やるつもりなんてない

 小学校の先生をしています。しかし、この仕事を一生やりつづけるつもりはありません。別にしんどくて耐えきれないわけではありません。毎日出勤するのが嫌で嫌で仕方がないわけでもありません。パワハラを受けているわけでもありませんし、子どもや保護者とうまくいっていないわけでもありません。単純に、はじめから一生やるつもりがないのです。

 こんなことを言うと、いい歳をしたベテランの先生方は「ナメてんじゃねえぞこのやろう」と思われるかもしれません。「そんな中途半端な気持ちでやるくらいならやめちまえ」と言われてしまうかもしれません。こちらから言えることはひとつだけです。

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 むしろ、若者に向かってよくそんなことが言えるなという話です。一生この仕事を続けようとがんばってきた成れの果てが今のあなたなのでしょう。すごく失礼だし、すごく申し訳ないけれど、あなたのようにはなりたくない。

 これがもし、とても魅力的な先生で、若者からも「あんな先生になりたい」と思われているような人だったとしたらまだいいでしょう。「オレみたいになりたければ一生つづける覚悟でやれよ!」と言うのなら、まだ説得力があるのかもしれません。ただ、たぶん、若者から憧れられるような先生はそんなことを言いませんけどね。

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 上の人間が魅力的でない業界は伸びないと思っています。職員室で過ごしていても、だれも管理職になりたいだなんて思いません。教育委員会に行きたいとも、教育長になりたいとも思いません。もちろん「子どもたちの近くで仕事をしていたい」という思いもあるのでしょうが、それにしても魅力がなさすぎます。

 上司が部下に夢を見せられない。「いつかは私もあんなふうになりたい」と思わせられない。それが今の教育業界です。この点で言えば、管理職や委員会に関わらず、ベテランの先生方にも言えることです。若手としては、先輩にカッコよくいてほしいのです。憧れの対象であってほしいのです。

 もちろん素敵な先生はたくさんいます。わけがわからないくらいの業務を毎日のようにこなし、子どもたちとの信頼関係もばっちりと築き上げています。それでもやっぱりごめんなさい。「あんなふうになりたい」とは思えないのです。

 大変さがわかる分、理不尽さがわかる分、窮屈さがわかる分、憧れからは遠ざかります。尊敬はしています。本当にすごいなとも思います。ただ、憧れることはありません。夢を見ることができないのです。生意気なことを言ってごめんなさい。本当にごめんなさい。でもこれが正直な気持ちです。10年後、この仕事をつづけている自分がつまらないなと思ってしまうのです。

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松本大洋原作 アニメ『ピンポン』より

 このようにヒーローに期待していると、まるで人のせいにしているように聞こえてしまいますが、先ほど書いたとおり、はじめから一生やるつもりはありません。なんなら、はじめから夢なんて見られないことがわかった上でこの業界に入りました。この仕事を選んだ理由は以下の記事に書いているとおりです。

taishiowawa.hatenablog.com

 なんなら、一生つづけるつもりがない理由もこの記事の中に書いてありますね。筆者にとって、先生という職業はあくまでも手段です。目的ではありません。「おもしろい大人と子どもを繋げる」という目的が達成できるのなら、別に先生である必要はないのです。

 これから先に、結婚をしたり、子どもができたり、親の介護が必要になったりということがあると、だんだんと身動きがとれなくなってくるのだろうなと思っています。もちろんやってやれないことはありませんが、転職のリスクも大きくなってくることでしょう。養育費や生活費のことを考えると、そう簡単に仕事を辞めることはできなくなっていくはずです。

 それならば、身も心も自由なうちに、いろいろなことを試しておかないわけにはいきません。何ならすでに遅いくらいです。先ほど貼り付けた記事にも書きましたが、まずは自分がおもしろい大人になること。そして、おもしろい大人たちとたくさん出会うこと。その上で、おもしろい大人と子どもを繋げること。この順番で進んでいきます。子どもたちは最後です。まずは自分がおもしろくならなければなりません。

 そのためにも、こうしてブログを書いています。度々言っていますが、ブログそのものよりも、そこから広がっていくものに価値があると思っています。今年の目標は「人に会う」です。残念ながら身動きがとれない状況ですが、この騒動が落ち着けば、いろいろなところに足を運んでたくさんの人と会いたいなと思っています。いずれは場所を選ばない仕事をしてみたいなあ。

 おもしろい大人と子どもを繋げる。言い換えれば、子どもたちに夢を見させるということです。大人っておもしろそうだなあ。大人っていいなあ。これすなわち、未来への希望です。おもしろい大人たちがいることは間違いないので、あとはいかにして子どもたちに結びつけるかです。上司は部下に夢を見させなければなりません。先輩は後輩に夢を見させなければなりません。大人は子どもに夢を見させなければなりません。あなたは誰に夢を見させますか。

taishiowawa.hatenablog.com

taishiowawa.hatenablog.com

taishiowawa.hatenablog.com

 

  芸能界には、この「夢を見させる」という考え方が強く根付いているような気がします。まさに「ザ・ドリームマッチ」に出演している芸人さんたちなんて、他の芸人さんからすればドリームな存在なのでしょう。売れたらあんなに華やかなステージに立つことができる。売れたらあんなにお金持ちになれる。

 そんな先輩の背中を見ながら、後輩たちはモチベーションを上げて努力するのです。音楽の世界やスポーツの世界でも同じようなことが言えるでしょう。だからこそ、これらの業界は今までぐんと伸び続けてきたのです。

 今の教育業界に必要なのは、もしかするとヒーローなのかもしれません。ピンチのときは3回唱えろ。ヒーロー見参!ヒーロー見参!ヒーロー見参!そうすりゃオイラがやってくる。