ツイートの3行目

小学校の先生です。ツイートは2行まで。3行目からをここに書いていきます。

【月】オリジナルだと思っていることのほとんどはすでにこの世にあるよ

 

 おはようございます。東京旅行1日目が終了しました。よく歩きました。来るたびに思いますが、東京も結局は日本ですね。信号が赤になると車は止まり、夜になると辺りは暗くなります。今後も、人に会ったり買い物をしたりするために来ることはあるかもしれませんが、観光で来ることはないのだろうなと思います。そんな街での2日目が始まります。今回の目的は「人に会う」ですので、会いたかった人に会えればそれでいいのです。「今日は楽しかったです!」みたいなツイートは幾分苦手なので、誰と会ってどうだったかという感想を話すつもりはありませんが、すでに来てよかったと思っています。ありがとうございました。本日、会う予定になっている方々もよろしくお願いします。どうも、インクです。

 

オリジナルだと思っていることのほとんどはすでにこの世にあるよ

 最近「レッドオーシャン/ブルーオーシャン」ということばが流行っています。ご存知でしょうか。むしろもう遅いくらいかもしれませんね。「レッドオーシャン」とは、簡単に言うと競争の激しい既存の市場のことです。たとえば、コンビニや牛丼チェーンなんてとんでもなくレッドオーシャンだと言えるでしょう。店舗数や価格などで数々の企業が競争し、ひしめき合っています。今から参入したところで痛い目を見ることは目に見えています。一方「ブルーオーシャン」とは、競争のない未開拓の市場のことです。たとえば、合法的に音楽のダウンロードを可能にしたAppleの「iTunes」や、体感的に操作ができる任天堂の「Wii」などはまさにブルーオーシャンに乗り出して成功した事例だと言えるでしょう。まだ誰もやっていなかったからこそ、多くの人の関心を惹きつけぶっちぎることができたのです。

 このことばが流行したせいで、やけに「アイデア」が重視されるようになりました。「まだ誰もやっていない画期的なアイデアが自分にはあるんだ!」と調子に乗る人たちがでてきてしまったのです。いやいや、待てよと。オリジナルだと思っているそのアイデアはすでにこの世にあるぞと。人類の歴史が一体何年あると思っているんだと。こういうわけです。人類の歴史は600万年あるのです。本当にあなたのその思いつきがこの600万年の間に一度も考えられなかったと思いますか。

 どうしてこのような勘違いをしてしまうのかと言うと、上の記事にも書いたとおりです。基本的に今を生きる人たちは過去を生きた人たちをバカにしているからです。時代の最先端を生きている自分たちが一番えらいと思っているのです。だからこそ、先人たちがすでに思いついているかどうかを調べることもせずに、オリジナルだと思い込んで勝手に盛り上がってしまうのです。まるで、他人事のように話していますが、きっと弊ブログにもそんな記事がたくさんあるはずです。きっとどこかの誰かがすでに考えているようなことばかりです。

 人の時間には限りがあります。死んだあとにどうなるのかはわかりませんが、ここでは「無」にかえるものだと考えましょう。「無」の定義づけをしていたら日が暮れるので、ここでは無視して進みますね。とにかく人は死ぬと「無」にかえります。学んだことも、知ったことも、経験したことも、すべて「無」にかえってしまいます。そして次の世代には、なんにも知らない赤ちゃんが生まれます。そして、この赤ちゃんもまたいろいろなことを学び、知り、経験し、そして死んでいくのです。人間という生命活動においてもっとも効率が悪いのはここです。次の世代への引き継ぎに労力と時間があまりにもかかりすぎるのです。これがもしコンピュータなら、データをまるまるコピーして、他のディスクにペーストすればおしまいです。人にはこれができません。

 そう考えると、先人の知恵を借りないのはあまりにもバカらしいとは思いませんか。せっかく先人たちが残してくれた膨大なデータがあるのにも関わらず、それらを調べることもなく、1から積み上げようとするのです。その上で、思いついたアイデアを「オリジナルだ!」と騒いでいるわけです。あまりにも滑稽です。今の時代にオリジナルと呼ばれるものを生み出すのであれば、以下のいずれかだと思っています。

 

 ① 先人の知恵を現在の環境に適応させる

 ② 複数の先人の知恵を組み合わせる

 ③ 先人が作り上げた王道の一部を崩す

 

 いずれにせよ、大前提として「先人の知恵を知る」ということが必要です。要するに「調べろ」ということです。まさに、日々タグ付けしている田中泰延さんの著書「読みたいことを、書けばいい」に書かれていたことですね。命という時間を無駄にせず、より先に進もうと思ったら、すでに積み上がっているものを、可能な限りコピーしようとすることが大切です。その蓄積の中から本当のオリジナルは生まれてくるのです。それは、もしかすると一見シンプルなものかもしれません。しかしそれは、あなただからこそ生み出せるシンプルになっているはずです。

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 特に経験の浅い若手は、これを大いに自覚しておくべきだと思います。もちろん時には調子に乗って若気の至りを炸裂させることも大切だと思います。しかし、早くこれを自覚しておかなければ、気づいた頃にはのこりの時間がぐんと短くなってしまっています。まだかろうじて時間が残されているうちに、先人の積み重ねをさっさと戴いておくべきです。話はそこからなのです。