ツイートの3行目

小学校の先生です。ツイートは2行まで。3行目からをここに書いていきます。

【木】こういうボケができるようになりたい

 

 おはようございます。右手のど真ん中にホクロがあります。これでもかというくらいにど真ん中です。小さいころからずっとそこにありました。あるから何だということもないのですが、自分ではわりと気に入っています。いつになったらレーザービームが出るようになるのでしょうか。もしくはクモの糸が出てくるのでしょうか。楽しみに待ちたいと思います。どうも、インクです。

 

こういうボケができるようになりたい

  デンソーと日立が「自動で契約書をめくってハンコを押すロボット」を開発し、タイムラインでは随分と話題になっていました。「いやいや、そこじゃないだろ!」や「またニッポンがやりやがった!」というようなコメントがたくさん寄せられていたように思います。

 とても秀逸ななボケだと思いました。ツッコミ側は決まったリアクションをとるだけで、大きな共感を得ることができます。ボケに対して、まわりの全員がズッコケるというあれです。そして何よりも、デンソーと日立が真顔でボケているのが最高です。これがもし、ほんの少しでも「おもしろいでしょ?」という顔をしてしまっていたら、このボケは台無しになっていたと思います。真剣な顔で「絶対にそこじゃないだろ!」ということをするからこそ、ボケはおもしろくなるのです。

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 これはもう憶測でしかありませんが、おそらくデンソーと日立は、このロボットをまともに売るつもりはないと思います。このロボット開発を通してやりたかったことは「名前を売ること」「所有しているロボット技術の高さを周知すること」だったのではないでしょうか。実際のところは分かりませんが、きっとこの一件のあと、ふたつの企業へはたくさんのオファーがあったのではないかと思います。

 SNSが発達したこの時代において、もっとも効果的な宣伝は「口コミ」です。ひとつの発信元から不特定多数に向けて拡散するのではなく、そもそもの発信元の数を増やして拡散するというやり方です。そのために必要なのが「誰かに話したくなる要素」です。今回の件だと「こんな信じられない開発があったらしい!」がそれにあたります。たしかに誰かに話したくなりますよね。当然誰かからその話を聞いた人は、次の人へ次の人へと伝えることになります。

 デンソーと日立が今回つかったのは「広告費」ではありません。「開発費」です。開発だけを行い、あとの宣伝はメディアとSNSのユーザーが勝手にしてくれたというわけです。ある意味、開発費=広告費だと言うことができるのかもしれません。とても賢いやり方だなと思います。

taishiowawa.hatenablog.com

 上の記事にも書きましたが、やはり秀逸なボケ(ネタフリ)というものは、次の人が言うべきことばを提供してくれます。要は「これを言ってくれたらいいですよ」というメッセージが含まれたパスです。それさえ言えばコミュニケーションが成立するようにできています。上手なものだと、たったひとこと返すだけで笑いが生まれます。完全にネタフリの質のよさなのですが、コメントを返した側がちゃんと得をするように仕組まれています。

 しつこいですが、今回の件だと、デンソーと日立が「いやいや、そこじゃないだろ!」と言ってくれたらウケますよ、という分かりやすいパスを出してくれていました。だからこそ、こちら側は「いやいや、そこじゃないだろ!」と言うだけで、こんなにも盛り上がることができたのです。

  これだけパスが分かりやすいと、コメントの方法としては「わざと外す」というやり方をとることもできます。まさにこの記事がそうですね。「いやいや、そこじゃないだろ!」というツッコミを入れるのではなく、わざと外したところで言及する。これでもデンソーと日立からすれば、十分な宣伝になります。だって、この記事の中だけでも何回「デンソーと日立」と言ったでしょうか。数えてみると6回も言っていました。読者数がそんなに多いブログではないので、大した宣伝にはなりませんが、それでもそんな媒体が100、200...と発生すると考えると、十分な宣伝になるのだろうと思います。

 

 

 今回のデンソーと日立のやり方からは学ぶことがとても多かったように思います。このブログには「ツッコミをいれたくなる要素」があまりにも少ない気がしました。正論めいたことを偉そうに言っているので、読者が入り込む隙がないのです。わざと隙間を空けて、読者にツッコんでもらう。それができたら、もっとたくさんの人にこのブログの記事が届くのだろうなと思います。生憎、そんなに高度な技術は身につけていないんですけどね。